出版社内容情報
初めて見る皆既日食に小学五年の弦太たちは沸き立った。しかし、その日から、クラスメイトの家や学校の兎小屋などで放火事件が相次ぐ。消防士として殉職した父に似て強い正義感をもつ弦太は、友達と共に犯人捜しに動き出す。だが、危険を冒しながら辿り着いたのは、せつないほど歪(いびつ)な光と影だった。父が遺した言葉を守る少年が、大人になるための?と痛みを知っていく鮮烈な青春ミステリー。
内容説明
初めて見る皆既日食に小学五年の弦太たちは沸き立った。しかし、その日から、クラスメイトの家や学校の兎小屋などで放火事件が相次ぐ。消防士として殉職した父に似て強い正義感をもつ弦太は、友達と共に犯人捜しに動き出す。だが、危険を冒しながら辿り着いたのは、せつないほど歪な光と影だった。父が遺した言葉を守る少年が、大人になるための嘘と痛みを知っていく鮮烈な青春ミステリー。
著者等紹介
板倉俊之[イタクラトシユキ]
1978(昭和53)年、埼玉県富士見市出身。吉本興業所属。’98(平成10)年、堤下敦とお笑いコンビ「インパルス」を結成し、以後すべてのコントの作・演出を手掛けている。2009年、『トリガー』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
★Masako★
62
★★★★☆ 板倉さん初読み♪殉職した消防士の父をもつ小学5年生の弦太。授業で皆既日食を見た夜に同級生の家が、翌日には学校のウサギ小屋が放火にあう。同一犯人の仕業なのか?弦太は友達3人と犯人捜しをすることに。小学生らしい行動が丁寧に書かれているので青春&冒険小説かと思いきや、後半は二転三転する驚きの展開!伏線らしきものはあちこちにあったが、それがあのような真相に結びつくとは!父の教えを守る正義感の強い弦太。皆既日食のように太陽を隠すことが出来る月に込められた弦太の思いが、強く伝わってきた。【月祭り本2冊目】2022/10/02
オーウェン
62
インパルスの板倉が本を書いているのを初めて知ったが、中身がまともに青春ミステリとして成り立っていることに驚いた。弦太はクラスメイトの涼介と隼の3人で、町で起きた連続放火事件の犯人を突き止めようとする。 3人がある人物に狙いをつけて尾行する辺りは冒険している気分になれるし、そのあとの犯人を巡るミステリの展開も二転三転する。 冒頭の弦太の父親が亡くなるということが動機づけとして成り立っており、嘘をついていいという件もしっかりと伏線になっている。 ラストのちょっぴりほろ苦い描写も、とても好感が持てる仕上がり。2022/02/23
hnzwd
25
主人公は消火活動中の事故によって消防官である父親が亡くなってしまった小学5年生の男の子。その頃、町では連続放火事件が発生し、、友達を誘って3人+1人で犯人捜しをすることに。中盤以降、物語の見え方がくるくる変わっていくのと、、テーマとなるモチーフの据え方が上手かった。ジュブナイルとしての完成度が本当に高い。子供が面白い、と思う子供向け小説って、大人が読んでも面白いんだよね。。2022/05/29
mayu
24
インパルスの板倉が小説を書いているのを知って、どんな作品なんだろうと読んでみた。主人公は消防士の父を亡くした小学5年生の弦太。少年青春小説と思いきや…。小学生の日常と冒険の日々に最初は中々動かない展開と伏線なのかなぁと思う所がチラホラあってもどかしく思っていたが、だんだんと気になる展開へ。ただ弦太のとても強い正義感に、この先大人になってもこの信念を持ち続けていくならどうなってしまうのだろうと、計画的に仲間を巻き込み、自分が信じた事への捨身の行動に少し怖くなってしまった。2022/08/22
ぷりけ
19
友人がなかなか面白かったよ、と貸してくれた本。 板倉が本を出してたなんて知らなかった。それも3冊も。 話はとても面白く、一気読み。 事件後の弦太と隼、涼介のやりとりで不覚にも泣いてしまった。2022/04/19
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