出版社内容情報
大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば……。キャリアの不安が膨らむなかで疼く、致命的な古傷。そして緊急オペ、患者に寄り添う日々。心臓外科医の真の使命とは、原点とは何か。リアルな現場で、命を縫い、患者の人生を紡ぐ熱いドラマ。傑作医療小説。
内容説明
大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば…。キャリアの不安が膨らむなかで疼く、致命的な古傷。そして緊急オペ、患者に寄り添う日々。心臓外科医の真の使命とは、原点とは何か。過酷な現場で苦悩し戦う医師のリアルが胸に迫る感動のヒューマンドラマ。
著者等紹介
知念実希人[チネンミキト]
1978(昭和53)年、沖縄県生れ。東京慈恵会医科大学卒業。2004(平成16)年から医師として勤務。’11年、「レゾン・デートル」で島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。’12年、同作を『誰がための刃』と改題し、デビュー。’18年、『崩れる脳を抱きしめて』で広島本大賞、沖縄書店大賞を受賞。同作で本屋大賞にノミネートされる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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イアン
159
★★★★★★☆☆☆☆本屋大賞2019にノミネートされた知念実希人の長編。一人前の心臓外科医を目指す平良は、心臓外科の権威・赤石の下で激務に励みながら3人の研修医の指導を任される。そんな中、赤石の不正を糾弾する密告状が届き…。平良は希望する出向先を勝ち取ることができるのか。赤石が平良に対して託したある思いとは。「密告状を送ったのは誰か」というミステリ要素もあるが、どちらかといえば人生の岐路に立つ一人の医師の成長譚の色合いが濃い。沖縄が医師としての墓場みたいな扱いには閉口したが、着地点はいい意味で裏切られた。2023/07/29
H!deking
93
単行本は買って積んであったんだけど、こないだ文庫のサイン本見つけて思わず買ってしまいました。安定のリーダビリティで面白かったです!2021/05/22
ワレモコウ
77
心臓外科医の平良祐介が主人公。平良は、赤石教授から3人の研修医の指導を任される。3人の内2人が入局すれば、心臓外科医として貴重な経験を積める病院への出向が叶う。ライバルは、後輩であり赤石教授の甥でもある針谷医師。要領が悪いけど、真摯に患者と接する平良の成長物語。今まで読んだ中では、一番心温まる話だった。頼りなくて迷ってばかりの平良だけど、いざとなると力を発揮する。研修医たちも、いい医師になるだろうな。2021/06/27
TAKA
68
医者も政治家と同じで初心忘るべからずですね。命を救うために志したのに権力闘争に明け暮れてるのもなんかね。主人公の平良もその道を辿っていくんじゃないかと。実力を認めることで苦汁の決断をするのはエリートにとって並大抵ではないだろうけど、もうちょい芯があれば利用されることもないんだろうけど。まあハッピーエンドでよかったんじゃない。「誰が悪いわけでもないのに理不尽なことは起こる。そして、医師というのはその理不尽を呑み込まないといけない」人を助けるとはそういうことですよね。諏訪野先生が立派になってたよ。2024/01/26
ほんた
60
心臓外科医の平良は,富士第一総合病院へ異動するという希望がありました。平良はある日三人の研修医を抱えることになります。この三人がそれぞれ特徴あって,平良は指導に苦悩します。三人のうち二人を心臓外科医に入れれば望みが叶うという確約をもらった平良。最終的に平良は希望する病院への異動を決めることができるのかがポイントです。 https://hontablog.com/ひとつむぎの手2022/12/03
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