内容説明
花粉などアレルゲンによって引き起こされる身体的アレルギー。これとよく似た心理的拒絶反応「人間アレルギー」についてはこれまで語られることはなかった。良好だった人間関係がなぜ急にうまくいかなくなるのか。些細な理由で相手の存在までも許せなくなるのはなぜか。自身のクリニックの具体的な臨床例と歴史上の人物のケースを分析しながら、この心理的葛藤状態を克服する処方を示す。
目次
第1章 人間アレルギーの基本症状
第2章 先人たちのアプローチ
第3章 人間アレルギーのメカニズム
第4章 「愛着障害」という核心
第5章 人間アレルギーの克服
著者等紹介
岡田尊司[オカダタカシ]
精神科医、作家。1960(昭和35)年香川県生れ。東大文学部哲学科に学ぶも、象牙の塔にこもることに疑問を抱き、医学を志す。京大医学部で学んだ後、同大学院精神医学教室などで研究に従事しながら、京都医療少年院、京都府立洛南病院などに勤務。2013(平成25)年から岡田クリニック院長(大阪府枚方市)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
152
私は今の職場で人から拒絶された経験が3人になる。2番目の人がとっても悲しくてその時この本を読んだ。納得できたけどもう戻せないと分かった。そしてその事をずっと相談していた人が3番目の拒絶。私もすっかり弱った。私も悪かったけど拒否が激しすぎる。全てはアレルギー反応だった、と思う。「人間関係は相互的なものだ。自分が顔をそむければ、相手もいつしか顔をそむけてしまう。」「それまで大切に思っていた人に対して拒絶反応が生じた場合には、生き方や価値観といった根本的な問題において、岐路に差し掛かっていることが多い。」2018/11/29
そる
142
たまたま見つけた本。同僚が私を拒絶する理由を知りたくて読んだ。これはびっくり、驚愕、納得。その通りだった。アレルギーだったんだなと思った。私は彼が耐えられない何かをしたんだろう。今まで信用していたのに、ちょっと踏み込んでしまって、その地雷を踏んでしまい、その辛さの回避のため拒絶になったんだと、アレルギーの源は排除するしかないと、反応したのかもしれない。そして、私のその嫌なことは1つだったにも関わらず、全てを受け入れられなくなる。そして、私も、拒絶されている、私は必要とされてないという思考になってしまった。2018/02/25
だいだい(橙)
21
有益な読書でした。でも私は萩原朔太郎と逆で、若い頃は人との繋がりが保てたけど、年をとって難しくなったので、こりゃあかん、と思いました。原因だけでなく、治す方法も書かれているのですが、やはり本格的に治すにはプロの手を借りるのが良さそうだな、という感想です。2018/03/17
ホシ
17
私には、どうしても好きになれない人が一人いる。思い出しただけでむかっ腹が立つのだ。仏教の本が好きな私は、こうした感情こそ煩悩であり、除去すべきと頭では分かっているが、心のモヤモヤは晴れない。そんな折に本書と出会った。本書では特定の人に嫌悪感を持ち、拒絶する過程がヒトの免疫機構と同種であることを説く。その人を嫌う根本要因を知る(アレルゲンを知る)/共感力と自己省察力を高めバランスのある交際をする(アレルゲンとの付き合い方)/必要ならば常識の範囲内で距離を置く(アレルゲンを断つ)。こうした点が有益だった。2018/02/09
愁
11
自分の深い部分を知るために。「うんうん、そうなんだよね〜」と読み進めていましたが、自分の「裂け目」の核心に近い所を見つけた時は軽く衝撃が走りました。克服の章は少し雑な感はありますが…実際、人によって違うのでしょうから仕方ないですかね。愛着障害の関連書も読みたいと思います。2018/12/12