内容説明
その後、バーを訪れたのは、新宿で知らぬ者なき“鮫”だった(「雷鳴」)。たたき上げ警視と女性心理調査官が辿りついた真相は(「刑事調査官」)。娘を殺された退職刑事の“犯罪”(「誰がために」)。刑事の妻の危険な逃避行(「ロシアン・トラップ」)。現代っ子巡査が足を踏み入れてしまった事件とは(「とどろきセブン」)。正義とは一体何だ?混沌の世界を生きる警察官の誇りと苦悩を描く全五篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
10$の恋
36
表紙を開けたら警察小説のびっくり箱だった!まず、いきなり大沢在昌の「鮫島の短編」だ。お次は今野敏の「刑事調査官」てことで、今月は鮫島も竜崎も本編はパス(独り言🙇💦)_。趣向を凝らした味わい、短編なのに唸らす深さ、各作家さんの持ち味満点の警察物語。「白川 道作品」は、未成年極悪犯罪による加害者・被害者の人権矛盾の問題提議に同感。「永瀬隼介作品」は、警察官の淫乱妻とロシアンマフィアとのどす黒い関係に唖然。「乃南アサ作品」は、交番勤務警察官の四方山話にホッコリからまさかのお手柄。やっぱ警察小説はオモロいな。2024/06/22
Nozomi Masuko
24
混沌の世界を生きる警察官の誇りと苦悩を描いた5作品を収録。警察小説作家としても名高い5人がそれぞれ個性ある作品を文庫本に書き下ろした本作。どれもなかなかおもしろかった。読んだことない作家さんもいて新規開拓につながりそう。やっぱりいいな、刑事ものは。笑。2016/07/18
nana&qoo
22
警察小説アンソロジー。長さはバラバラの5作。一番短い大沢さんの作品がキリリとした存在感で光っていました。新宿鮫シリーズも読んでみたい。今野敏さんもさすが。丁寧な推理と人物描写で飽きさせません。白川さんは少年による残虐事件で気持ちが滅入りました。永瀬さんは警官の妻をヒロインにしたハードボイルド。こちらは好みではありません。乃南アサさんは交番勤務の日常と事件。明るくて軽い内容ですが、オチが不明。規定枚数に至ったのではい、ここまで!と終わったような印象を受けました。2021/12/18
詩界 -うたか-
15
#読了◆大沢在昌さんの【雷鳴】は鮫島が出てくる。誰よりも短い短編ながらスタートからラストまで見事な手腕で面白かった。今野敏さんの【刑事調査官】は今までのシリーズ物とは違い新たな島島コンビが出てきたりお馴染みは田畑課長のみ。自殺と思っていた事件が他殺で動く。白川道さんの【誰がために】は刑事をやめた男の話。そもそもの発端は少年法に守られた加害者だったという重たく悲しい物語。全て家族を想っていたからこその行動だった◆他。永瀬隼介さんと乃南アサさんの短編有。警察小説つめあわせで面白かった。2020/07/08
みずたま
13
新宿鮫の短編集で既読でしたが、大沢在昌「雷鳴」の掌編が頭一つ抜けている感じ。今野作品は安定。続編があるようなので読んでみたい。2016/01/29
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