内容説明
不自由ない生活だが、どこか不自由だった。夫を捨てて、不倫の恋を選び、故郷を離れて二十余年。男は病の果てに斃れ、女は全てを喪った。そこに偶然、かつて夫だった男が現われる…(「刈萱」)。まぎれもなく現役作家の最強布陣!歴史時代小説の新たな愉しみ方を探る新シリーズ堂々の創刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
神太郎
32
サクッと読むのには丁度よい短編集でした。 全体としても三十〜四十ページいかないかの短編が、7つ。そして、そのストーリーに合わせたコラムがついててこっちもなかなか面白い。上杉謙信がなぜ一生不犯を貫いたのかという『一生不犯異聞』や安西篤子さんの『刈萱』が結構好きでした。2022/12/04
かおりんご
24
小説。短編集。おじさんからもらった本。初めて読む作家さんの話があり、おいしいどこ取りをした気分になりました。一番心に残ったのは、「苅萱」。別れた夫婦の一瞬のすれ違いに、ちょっと心が打たれました。2022/07/28
タツ フカガワ
21
北方謙三、宮部みゆき、小松重男ほか7人の作家によるアンソロジー。元武家の妻で男と出奔した女は曲折を経て20数年後、峠の茶屋で働いていた。そこに偶然元夫が立ち寄って……。という安西篤子「刈萱」と、維新前夜の暗殺者をハードボイルドに描く船戸与一「夜叉鴉」が面白かった。2019/11/07
のぼる
19
七人の作家による短編集。一度も読んだことのなかった北方謙三氏、船戸与一氏が良かった。2022/02/01
tomi
12
装丁に惹かれて購入してあった本。北方謙三・宮部みゆき・皆川博子ら7人の時代背景もまちまちな短篇を収録、中でも安西篤子「刈萱」が良かった。若かりし頃、武家の妻の辛さから駈落ちし、今は峠の茶店で静かに暮らしている主人公。ある日茶店に立ち寄った武士は夫だった… しみじみとした味わい深い作品でした。◇各話ごとに付いている中江克己氏のコラムも面白い。挿画は村上豊。2012/11/02




