出版社内容情報
不気味な廃墟で言い合いをする二 人の男の衝撃的結末「例の支店」、 自分が犯人だと自首してきた男を 問い詰めていくなかで進行する奇 妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、 カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景 「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤ ワタルの恋人」……。怖いのに、 読むのが止められない傑作八編。 心臓の弱い方は、ご注意ください。
内容説明
不気味な廃墟で言い合いをする二人の男の衝撃的結末「例の支店」、自分が犯人だと自首してきた男を問い詰めていくなかで進行する奇妙な議論「哲学的ゾンビの殺人」、カリスマ映画監督の作品に出演した役者が見た、とんでもない光景「撮影現場」、仕掛けが冴える著者の真骨頂特別書下ろし「カガヤワタルの恋人」…。怖いのに、読むのが止められない傑作八編。心臓の弱い方は、ご注意ください。
著者等紹介
長江俊和[ナガエトシカズ]
1966(昭和41)年、大阪府生れ。映像作家、小説家。深夜番組「放送禁止」シリーズは多くの熱狂的なファンを生み出した。自身の監督により映画化もされ、これまで3作が公開されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
136
ラスト1行まで決して油断してはならない。どんでん返しからのさらなるどんでん返し。作者の思惑通りにのせられて転がされまくる。一番怖かったのは表題作。これ、実際には絶対あり得ない、って本当に言えるのか。ラスト一行、脳内で画像変換してぞくり、と鳥肌。2024/06/03
イアン
132
★★★★★★★★☆☆長江俊和の代名詞でもある禁止シリーズ第8弾。売れない俳優の飯島は、鬼才・アザマが監督する映画に出演する機会を得る。妥協を一切許さない撮影現場で飯島が見た物は、本物としか思えない死体だった…(「表題作」)。怖いのに読む手が止まらない狂気に満ちた8編の短編集で、いずれも戦慄の結末が用意されており中毒性は高い。人名を並べるのはあまりスマートではないものの、意味が分かると怖い「ルレの風に吹かれて」に最も長江イズムを感じる。気付いていない仕掛けもありそうなので、考察サイトが充実したら再読したい。2023/11/23
モルク
111
ゾワリとするもの、そしてどんでん返しとなる8話の短編集。中でも失踪した友人を追ってたどり着いた国、そこは双子だらけの幸せの国。愛し合う二人は神の許しを受け永遠にひとつになる「ルレの風に吹かれて」が好き。永遠にひとつってそういうこと?ウゲッ…「カガヤワタルの恋人」も二転三転し先が読めないおもしろさ。そして真梨幸子さんのあとがき。なんと真梨さんの小説デビューに大きな影響を与えたのは長江氏の放送禁止シリーズだったとは。大きな衝撃。あなたのおかげで真梨作品と出会えたのですね。ありがとう、長江さん。2024/02/16
ma-bo
98
長江さんの禁止シリーズ。今作は8編の短編集。読み終えた後にそうだったのかと推理出来るものから、読み手に考えさせる結末もあり。どんでん返しというよりは人間の奥底を揺さぶる哲学的な部分の恐怖かな。陳腐な表現になってしまうかもしれないけど。世にも奇妙な物語の上質なシナリオ原稿の様。次は出版禁止みたいな長編が希望。2024/02/05
HANA
72
禁止シリーズ最新作。著者と言えばどんでん返し、こちらもそれを警戒しながら読むので、いかにもどんでん返しという作品から受ける衝撃はそれほどでも無かった。ただそれ以外の作品、あるトリックをメインにしているのは素晴らしい。白眉は何と言っても「ルレの風に吹かれて」。ラストで真相に思い至りもう一度読み返してみたのだけど、主人公の取る二つの行動に何の矛盾もないのよね。これ大傑作だと思う。「カガヤワタルの恋人」もラストで読者の思い込みがまんまと作者に利用されていた事が判明するし…。この二作だけでも本書を買う価値あり。2023/12/20