出版社内容情報
お前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな――。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、〈ロイヤル〉の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し……。馬主一家の波瀾に満ちた20年間を描く長編。山本周五郎賞受賞作!
内容説明
お前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな―。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、“ロイヤル”の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し…。馬主一家の波瀾に満ちた20年間を描く長編。山本周五郎賞受賞作!
著者等紹介
早見和真[ハヤミカズマサ]
1977(昭和52)年、神奈川県生れ。2008(平成20)年、『ひゃくはち』で作家デビュー。同作は映画化、コミック化されてベストセラーに。’15年、『イノセント・デイズ』で日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。’20(令和2)年、『店長がバカすぎて』で本屋大賞ノミネート、『ザ・ロイヤルファミリー』でJRA賞馬事文化賞・山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
305
馬主業は道楽だけでは無く、二律背反とする蠱惑的な魔性性を伴っているのですね。華々しい世界の裏には、重い苦しみの様な物もあるの。2部構成になっていて。通底して栗須栄治氏の目線で描かれるのですけれども。第一部はロイヤルホープ號と山王構造氏の、第二部はロイヤルファミリー號と中条耕一氏の、それぞれの話が描かれていてね。競走馬には競走人生が、馬主には馬主の生活と思いがありますし。それをじっくりと読ませますよ。筆力。レースにはどうしても勝ち負けが付き纏うのですけど、簡単には勝たせてくれないです。手に汗握るよ。2025/05/13
あつし@
184
ドラマを観て原作者の名前から早速購入して読了した。ドラマも面白いし、この原作は更に面白かった。読書は楽しい。当たり前だが未読の魅せられる書物はいっぱいあって見つけていないだけなんだと思いしり反省させられている。近年めっきり落ちた読書ペースに愕然としているところ。以前の様にこの作者の本はとにかく読み尽くすという読み方ができなくなって(出会えなくなって)久しいけど、バラバラに手にして読み上げて結構感動した作品が早見和真作ということに気づいた本作。「たくさんの人の思いを引き受けている人間が好き」me too.2025/11/28
はにこ
168
再読本。やっぱりめちゃ良い!馬主であり続けることがいかに大変か。儲かるはずないんだけど、大金を注ぎ込む。こういう馬主さんたちのおかげで私達は競馬を楽しめる。この本を読むと色んな馬主さんが思い浮かぶ。今回は先日亡くなった松本オーナーを思い出した。亡くなる数カ月前に愛馬が宝塚記念を勝った。そして、単独オーナーとして初の2000勝。ドラマよりドラマだった。だから競馬は辞められない。ドラマも楽しみ。2025/10/01
dice-kn
167
単行本が出た頃から読みたいと思っていて、文庫本を買ってもすぐには読まずだったのですが、読み出したらグイグイ引き込まれてここでかというところで涙・・。馬が出てくるのですが馬と人がシンクロする絆の物語だと思いました。私の中で、読み終わった後登場人物のその後(どうなるのか)に興味を持ってしまうのが名作と勝手に思ってまして、本作はまさにそれでした。今野敏さんの解説を読んで著者の他の作品も興味深そうなので当たっていきたいです。2024/01/31
bunmei
138
競馬界をモチーフにし、馬主一族とそこに関わる人々の20年にも渡る重厚なヒューマンドラマ。2部構成となっていて、派遣会社『ロイヤルヒューマン』の社長で馬主の山王耕造の秘書となった、栗栖栄治の視線で物語は進む。第1部では、耕造が競走馬『ロイヤルホープ』に掛けてきた波乱万丈の人生を辿り、第2部からは、耕造の隠し子だった中条耕一が、耕造の後を引き継ぐ物語が展開。疾走する馬と共に、そこに想いを託した人々の喜怒哀楽を謳いあげていく。『血統と継承』という競走馬と人の縁を重ねた、壮大なテーマが物語の根底に流れている。 2025/11/19




