出版社内容情報
人間の血を吸うなんて、ありえない――! 吸血鬼一族・嵐野家のひとり娘でありながら普通の高校生として暮らす弓子だったが、17歳の誕生日を間近に控えたある朝、得体の知れない物体に出くわす。その黒くてトゲトゲの「Q」は、弓子が人間の血を吸わずに17歳を迎えられるか、監視しに来たという……。とびきりキュートですこぶる愉快、けれど忘れられない切なさを残す、新時代の青春小説!
内容説明
人間の血を吸うなんて、ありえない―!吸血鬼一族・嵐野家のひとり娘でありながら普通の高校生として暮らす弓子だったが、17歳の誕生日を間近に控えたある朝、得体の知れない物体に出くわす。その黒くてトゲトゲの「Q」は、弓子が人間の血を吸わずに17歳を迎えられるか、監視しに来たという…。とびきりキュートですこぶる愉快、けれど忘れられない切なさを残す、新時代の青春小説!
著者等紹介
万城目学[マキメマナブ]
1976(昭和51)年、大阪府生れ。京都大学法学部卒業。化学繊維会社勤務を経て、2006(平成18)年にボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。’24(令和6)年『八月の御所グラウンド』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
76
Oを読んで、かなり忘れていたので再読。あらー、こんな面白いの忘れてたかー。バス事故は覚えていたけど、Qって何だっけ?ってなってたからね。恐ろしい。佐久もすっかり忘れてたけど、インタビューウィズヴァンパイアの人かな。よっちゃん、やっぱりめっちゃ良いね。主人公喰っちゃうくらいの凄キャラ。2025/07/01
みこ
42
吸血鬼の女子高生・弓子の前に儀式までの監視役として不気味な生物Qが現れる。前半は同級生たちと青春を謳歌するが、ある事故を切っ掛けに弓子は自分のアイデンティティと向き合うことになる。一見すると二部構成の作りだが、同級生のヨッちゃんが良い意味での緊張感のなさを醸し出し、作品の世界観を現わしている。最後はまさかのホロリとした締めで極上の読後感を味わえる。弓子は芦田愛菜、身長150の吸血鬼佐久は西川貴教をイメージしたが、ヨッちゃんは二十世紀少年の時の木南晴夏しか思い浮かばなかった。2025/04/27
seba
34
弓子の家族は吸血鬼。でも現代を生きる吸血鬼は自発的な戒律に従い人間の血を吸ったりせず、人間社会に紛れ普通に暮らしている。ある日彼女の前に突然現れたのは、トゲトゲした謎の物体「Q」。十七歳の誕生日に行われる「脱・吸血鬼化」の儀式を前に、対象者が血に飢えていないか監視する役目なのだという。そんな中、高校の友人と海に出掛けた先で思わぬ目に遭い――。伝承される吸血鬼の歴史と、相手を救おうとする行為が招いた不幸というシリアスさを、正義感溢れる弓子とあっけらかんとしたヨッちゃんの前向きさが攪拌してくれて展開は爽やか。2025/07/01
流石全次郎
29
吸血鬼の父と母、主人公はその娘。人間社会で違和感なく過ごす女子高生。親友の恋の告白を後押ししたり、バスに乗って海に行ったり。並行して浮き彫りになってくる我が国の吸血鬼のしきたり。物語の緩急が絶妙で久しぶりに夢中になって読み終えました。2025/04/19
ひでちん
29
吸血鬼一族:嵐野家1人娘の弓子。17歳の誕生日10日前、突如謎の棘々[Q]が出現。Q曰く「17歳を迎える迄人の血を吸わずに過ごせるか」を監視しに来たらしい‥‥‥直木賞作家『万城目ワールド全開の現代版吸血鬼青春物語』 直木賞作が「らしさ」は出てたが控え目·他所行きだったので、今作は『らしさ全開』(笑)。 親友ヨッちゃんやその恋の相手の結末&最初は怖気を感じていた『Q』の処遇等々盛り沢山の中盤〜後半の疾走感は手に汗握り大変面白かった!!! 帯書にもあるが、近々に続編も発売されるようなので、続けて追いたい。2025/04/14