出版社内容情報
深沢 潮[フカザワ ウシオ]
著・文・その他
内容説明
年上の夫の友人を自宅へ招いた日、マドンナ気取りの女・優子が現れた。我が物顔で台所を使い、男たちに甘え、その上夫の前妻の話をし始めて…(「マドンナとガガ」)。女4人でランチ会。同じ大学だった優子の噂や、家庭の経済力、子供自慢と、持てる“球”をラリーする(「アドバンテージフォー」)。人と比べて嫉妬に悶え、見失う自分の幸せの形。SNSに書けない本音を暴く、痛快な連作短編集。
著者等紹介
深沢潮[フカザワウシオ]
1966(昭和41)年、東京生れ。2012(平成24)年「金江のおばさん」で「女による女のためのR‐18文学賞」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきらぱ
26
友達になっても夫婦になっても相手の言葉をすーっとそのまま心に受け取るのは難しいものだ。人間はなぜか会話する相手の裏を考えてしまう。褒められたとしても本気じゃないくせに、とか大変ねと言われても同情しているフリをしている、とか。Siriと話しているほうがきっと余程楽だと思う。しかしこの摩擦が人間の醍醐味なのかもしれない。2023/04/23
mayu
23
歳をとっても続いていく女達のマウント合戦。大学時代のサークル仲間の面々はもう40代、それぞれに家庭があったり、離婚を経験していたりする。子供がいない家庭、専業主婦、自分と違う環境を否定して自分の方が人生を楽しめていると思いながらも裏では葛藤している姿はとてもリアル。表題作「かけらのかたち」が一番好きだった。皆、表では充実してる姿を見せているけれど色々ある。心がザラザラするけれど、生き方に正解などなくてそれぞれに自分らしくいられたら良いなと思う気持ちが読後に残る。読めて良かった。2022/09/02
あゆみらい
17
初読み作家さん。高学歴な40代の女性の友達付き合い、家庭、SNSがとてもリアルに描かれています。後書きにあるように「これは嫉妬、100%嫉妬!」と認めて生きていこうと思います。そして、下手にSNSは見ないこと。2023/02/24
けえこ
15
友人のSNSに一喜一憂、実際に会っても終始マウントの取り合い…SNSとリアル生活の本音を描いた連作短編集。 主軸は海外生活をふまえて料理教室を主宰、40代半ばになってもマドンナ気質が消せないSNSに依存している優子。 2話「アドバンテージ フォー」が一番面白かった。 負けたふりで最後に勝った恭子、何でも自分の話題に持って行く強気の智恵、こんなランチ会に参加したら食欲減退しそう。2024/07/29
Mayrin
12
久々にチクチクする話を読んで、面白かったです。紀香が実は感じ悪かったのと、最後の杏奈が清々しかったのが印象的でした。2022/09/13
-
- 和書
- 君が代と万歳 (新版)