新潮文庫
知的唯仏論―マンガから知の最前線まで ブッダの思想を現代に問う

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  • サイズ 文庫判/ページ数 273p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101203218
  • NDC分類 180.4
  • Cコード C0115

出版社内容情報

仏教とは釈迦の説いた思想であり、即ち「唯仏論」である。日本仏教、オカルト批判、愛、死――縦横無尽に語り合う、本格仏教対談。

仏教とは「釈迦の説いた思想」であり即ち「唯仏論」である――。仏教を高く評価する非信者、呉智英。仏教徒を自認するが宗派には属さない、宮崎哲弥。わが国を代表するふたりの論客が縦横無尽に語り合う。宗教とマンガ。日本仏教の特質。そして、輪廻とは、神秘体験とは、“私”とは、愛とは? ありきたりな通俗書では満足できないあなたに贈る知的興奮に満ちたセッション!

内容説明

仏教とは「釈迦の説いた思想」であり、すなわち「唯仏論」である―仏教を高く評価する非信者、呉智英仏教徒を自認するが宗派には属さない、宮崎哲弥。わが国を代表するふたりの論客が縦横無尽に語り合う。宗教とマンガ。日本仏教の特質。そして、輪廻とは、神秘体験とは、“私”とは、愛とは?ありきたりな入門・通俗書では満足できないあなたに贈る、知的興奮に満ちたセッション!

目次

第1部 仏教をめぐる、やや通俗的な入り口(仏教とは;宗教を描く;輪廻の解釈学とオカルト批判;宗教家の力;ブッダと日本仏教)
第2部 宗教と「この私」(仏教学と体験性;神秘体験と救済;実存を問う病;愛と渇愛;現代人の四苦)
第3部 仏教と社会(善悪の彼岸)

著者等紹介

宮崎哲弥[ミヤザキテツヤ]
1962(昭和37)年、福岡県生れ。慶應義塾大学卒。テレビ、ラジオ、雑誌などを舞台に、生命倫理、政治哲学、仏教論、サブカルチャー分析を主軸とした評論活動を行う

呉智英[クレトモフサ]
1946(昭和21)年、愛知県生れ。早稲田大学卒業。マンガ評論、知識人論など、さまざまな分野で執筆活動を展開している。日本マンガ学会前会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

古古古古古米そっくりおじさん・寺

49
以前、呉智英の『つぎはぎ仏教入門』を読んで相当面白かった。また以前、宮崎哲弥の対談集『仏教倫理問答』を読んで難し過ぎて途中で投げ出した(笑)。そんな二人の仏教対談。やはり呉の話の方が面白く分かりやすい。しかし7割は宮崎が喋っており、呉は聞き手と言って良い。宮崎は仏教知識を総動員しており、原典や読了本の引用を次々繰り出す。無礼な言い方をすれば、宮崎が「駅の名前を全部言えるガキ」(by三代目魚武濱田成夫)に思えなくもない。私自身は自分を漫然と仏教の徒だと思っていたが、それは長年の誤解かも知れないと思った。2015/12/06

yutaro13

40
呉智英『つぎはぎ仏教入門』の刊行は2011年。当時それを読んだ私は「仏教は本来「無我」を説く宗教であり、だからこそ仏教は自我の時代(つまり現代)の病理を指摘することができるという。なるほど。」などと記載しているが、仏教に興味を持ったのはごく最近のこと。なるほど、じゃないわな。本書はそんな2011年の対談本。宮崎氏が仏教に関する圧倒的知識量を武器に、ときに対談の場が独壇場と化す構図は他書と同じ。本書の白眉は冒頭の漫画対談ではないか。漫画が専門の呉氏はともかく、宮崎氏が宗教漫画にも詳しいことに驚かされる。2020/12/31

ねこさん

22
仏教の対機性を考えれば、両氏ともに個々の実存苦を語ることはしないため、物足りなさが残るが興味深い話が多い。しかし例えば「やることをやって生きていくと(中略)そんなに死が怖くなくなってくる」と老死についての私見を一般論のように語るような、乱暴さも散見される。欲得を肥大化させられ「やること」を「やっている」実感が遠ざかっているのが現代であって、言語によって対象化された事象に対する条件反射的な意識のふるまい方を解除し、今ここにある生と、死を内在させた身心を再獲得するために仏教が有効だと、個人的には感じている。2017/11/26

ねこさん

21
バルトのエクリチュールと、釈尊が行った悟りに至る内観としての十二支縁起について並行して考察している中、機宜を得たという印象。以前から感じていた禅や武道への本当に微かな懐疑が身体性に依拠していたことを知る事ができたことも大きいが、中観派への理解を深めたいと改めて感じたと共に、自分は仏教徒と呼べるのかどうかを考える契機となった。全体に拈堤すべき内容が散りばめられいるにも関わらず、急いで読んでしまったことが悔やまれる。あとがきにあった吉村均氏の「神と仏の倫理思想」における十二支縁起についての引用が興味深い。2017/02/14

おおにし

16
宮崎哲弥さんのように、仏教思想を信仰と切り離した外部の視点で研究する仏教研究者がもっと増えてもいいだろう。私も老後の楽しみにと取っておいた仏教学の勉強をそろそろ始めたいと思う。手始めにこの対談にでてきた数々の仏教用語の理解から始めてみる。2017/09/17

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