新潮文庫
僕はしゃべるためにここ(被災地)へ来た (増補版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 333p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101202914
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0195

出版社内容情報

震災発生翌日から被災地入りした笠井。目の前のご遺体、怯える被災者たち。そのとき報道人は何ができるのか――渾身の被災地ルポ。

2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。翌日から笠井の現地取材ははじまった。目の前で発見されるご遺体と泣き崩れるご家族。どう言葉をかけたらよいのかわからなかった。「水がない」と訴える方の声を聞きながら、取材車に積んである水を目の前の方たちに配るべきか悩んだ。報道人としての葛藤や失敗、今も続く被災者との交流を綴った、渾身の震災ノンフィクション。

内容説明

2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災発生。翌日から笠井の現地取材ははじまった。目の前で発見される遺体と泣き崩れる家族。どう言葉をかけたらよいのかわからなかった。「水がない」と訴える人の声を聞きながら、取材車に積んである水を配るべきか悩んだ。何のためにここに来たのか―報道人としての葛藤や失敗、今も続く被災者との交流を綴る渾身の震災ノンフィクション。

目次

第1章 僕は何のためにここへ来たのか 震災発生!報道人は“食べて”はいけない
第2章 72時間超!報道人は“乗せて”はいけない
第3章 1週間!報道人は“泣いて”はいけない
第4章 東北人と関西人
第5章 被災地で出会った忘れられない人たち
第6章 2カ月…3カ月…そして半年
第7章 あの日から5年―

著者等紹介

笠井信輔[カサイシンスケ]
1963(昭和38)年、東京生れ。’87年、早稲田大学卒業後、フジテレビ入社。アナウンス室所属。現在は「とくダネ!」に出演(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

61
悲惨な現実を前に、迷う。いったい自分は、人としての行動をとるのか、それとも、テレビの取材人としての行動を選ぶべきなのか・・・。このジレンマは、現地にとどまり続ける笠井アナの心に棲みつき、蝕んでゆく。ある意味で懺悔の本であり、「あの日々」を追ったノンフィクションでもある。忘れない。忘れてはいけない。読んでいるこちらも恥じる部分も多々あり、読んでよかったと思えた。2016/05/30

Nazolove

19
久々に震災があったんだなぁ、と思いだすことになった本であった。 思えば震災当時にいきり立って騒いでいた事を思い出し、今他人事のように考えてる自分が情けなくなった。 自分だって今はほとんど災害には縁がない所にすんでいるのだが、一歩間違えたら自分自身がこの場所で震災に合い食べられない風呂入れない、なんていう状況になっていたのかもしれないので改めて今いるこの現状に感謝しなければいけないなぁ、と思った。 テレビの裏側、みたいなのも垣間見れるので裏でこんなことになっているんだなぁ、と感じることもできる作品。2016/03/05

ツキノ

16
いまだからこその増補版、いまだからこそ読む。東日本大震災で現地入り、そのときの報道人としての葛藤が正直に告白されている。タイトルのとおり「僕はしゃべるためにここへ来た」。阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、9.11同時多発テロなどの現場に行った経験も活かされているけれど、やはりそれぞれ別の事件であり災害である。当時のフジテレビは見ていなかった気がするけれど、葛藤しつつ真摯にやるべきことをし、そして反省すべきことは反省し告白しているのが素晴らしい。「二男」と「次男」の表記あり。新潮文庫、これでいいのか?2016/03/11

お昼寝ニャンコ

10
阪神淡路大震災や米同時多発テロの取材にかつて行ったこともあるフジTV笠井アナの著作。悲惨な災害現場における【報道】の立ち位置の難しさや葛藤が詳細に語られていました。実際の彼の現場中継をいつも見ていた私は、当時の彼の苦しみや悩み、その後のPTSDなどを改めて知る事が出来ました。報道に携わる事の重みと信念、時には家族との問題などもあった事が率直に語られており、報道に携わる彼らの覚悟を知る事が出来る良書。『被災地の人々を忘れない』ためにも東北へ行こう。印税は東日本大震災救援金として全額寄付だそうです。 2016/03/22

ゆかり

8
当時、視聴者としては、報道に対して「カメラ回す余裕があるなら、助けてあげればいいのにー」と何度も思った。しかし、報道する側は、そんなふうに思われるのを承知で、更に葛藤に苦しみながら、私達に被害の状況を伝えてくれたのですね。その苦悩の賜物である映像や情報のおかげで、地震のことを絶対に忘れてはいけないと思える。2016/04/24

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