内容説明
高層ホテルの用地買収に応じて、一家は住み慣れた西新宿の家を手放し、ホテル完成とともに地上１８階の一室を故郷とすることになった。大都会に生きる人間にとって、土地とは、故郷とは、いったい何なのか、変貌してゆく東京の姿を平凡な家族の姿に託して描く、芥川賞候補の表題作ほか、故郷の島に取材した「入江の宴」など、著者の文学世界の豊かな広がりを示す珠玉作、全４編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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たぶん、坪田譲治文学賞候補を軸にした短編集。ゆえに、子ども向け。のはずが、候補になった短編ですらそうではなかった。「ウホッホ探検隊」を読んだときに感じた躍動感は、なかった。きびきびした文体で、ゆるからな時の流れを描いた純文学作品。「夫婦の不仲」または「夫婦の離婚」が、テーマの根底にありそう。「ウホッホ探検隊」のような、これは面白いと思える作品に、次は当たりたい。2013/07/09
