出版社内容情報
札幌に住む23歳の吉田は、中年男性に恋をした。彼の上京を知り、吉田も後を追う。彼はまだ、吉田のことを知らないけれど――。
札幌に住む吉田苑美は、23歳にして人生初の恋をする。相手は四十路男のエノマタさん。不器用な乙女は「会いたい」と「知りたい」と「欲しい」の本能のまま、想い人を張り込んだ。だがある時彼の上京を知り、吉田は友人・前田の制止(「正気かい?」)を振り切り後を追う。まだ吉田の存在を知らぬ彼に、ちゃんと出会うために――。初恋の全てがここにある! 『とうへんぼくで、ばかったれ』改題。
内容説明
札幌に住む吉田苑美は、23歳にして人生初の恋をする。相手は四十男のエノマタさん。不器用な乙女は「会いたい」と「知りたい」と「欲しい」の本能のまま、想い人を張り込んだ。だがある時彼は上京し、吉田は友人前田の制止(「正気かい?」)を振り切り後を追う。まだ吉田の存在を知らぬ彼に、ちゃんと出会うために。初恋の全てがここにある!
著者等紹介
朝倉かすみ[アサクラカスミ]
北海道生まれ。2003(平成15)年に「コマドリさんのこと」で北海道新聞文学賞を、’04年に「肝、焼ける」で小説現代新人賞を受賞。’05年、『肝、焼ける』で単行本デビュー。’09年に『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
アラサーbonsの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yanae
71
会社の文学的作品が好きな先輩に借本。独特の世界観ー!主人公の吉田がほとんどなにも知らない一目惚れのエノマタさんを追いかけて上京。上京先でもストーカー的に偶然を装い接近を試みる(笑)でもあっさり…という。朝倉さんは初読みですが、借りた先輩から田村はまだかを勧めてもらったのでそちらも読んでみたいと思います!2018/10/09
にいにい
69
初朝倉かすみさん。「人は、自分の見たいように見る」という言葉とともに読了。吉田と前田のコンビ最強!枇杷介の可愛さもいい~。ハムスターを飼うことの魅力が溢れてる。榎又さんは、ああいう生活抜け出さないだろうな。北海道女子の凄さと草食系?の恋愛、行き違いドラマで、エンタメ。楽しめる~。吉田、前田の次に期待大の一冊だった。吉田~がんばれ~と声が出ちゃう。(^∇^)2015/10/26
佐島楓
56
ひとつのささやかで、ほろ苦い恋の物語。手に入れたものは、すぐに色あせてしまう。そうでないものを愛と呼ぶのだろう。2015/12/09
ユメ
36
吉田苑美はひと目惚れした男性を追いかけて札幌から上京する。ただし、相手の方は吉田の存在すら認識していない。いちど会っただけの男性がエノマタさんという名前であること、彼の勤める会社が倒産したため東京で再就職することetc.すべて吉田が一方的に調べ上げたのである。はっきり言ってストーカーだ。でも、恋という感情をとことん煮詰めて余計なものを飛ばしたら「会いたい、知りたい」という純粋な欲求だけが残る、のかもしれない。ハムスターの枇杷介とかぼちゃの種のエピソードが秀逸で、吉田の行動力にどこか感嘆している自分がいた。2019/04/30
エドワード
32
札幌に住む23歳の吉田苑美は、仕事で来ていたエノマタさんに一目惚れする。端正な横顔、細く長い指。彼が転職して東京へ行ったと知り(実は会社が倒産!)追いかけて上京、追いかけて再会を果たす。どう見ても彼女はストーカー、頭の中は妄想で一杯だが、この情熱はたいしたものだ。しかしとにかく無反応なエノマタさん。「もういっかなあ」哀しい帰郷。最初と最後の章だけエノマタ視線。こいつ、結局独身男4人組の方が楽しいのね。「吉田さんの一意専心にたじろぐことがしばしばあった」とぬかす。婚活はやりのウラにあるリアルを見た気がする。2016/12/07