内容説明
前753年、一人の若者ロムルスと彼に従う3千人のラテン人によりローマは建国された。7代続く王政の下で国家としての形態をローマは整えてゆくが、前509年、共和政へ移行。その後、成文法制定のために先進国ギリシアへ視察団を派遣する。ローマ人は絶頂期のギリシアに何を見たのか―。比類なき大帝国を築きあげた古代ローマ。その一千年にわたる興亡の物語がいま幕を開ける。
目次
第1章 ローマ誕生(落人伝説;紀元前八世紀当時のイタリア;エトルリア人;イタリアのギリシア人;建国の王ロムルス ほか)
第2章 共和政ローマ(ローマ、共和国に;ギリシアへの視察団派遣;ギリシア文明;アテネ;スパルタ ほか)
著者等紹介
塩野七生[シオノナナミ]
1937年7月7日、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。92年より、ローマ帝国興亡の一千年を描く「ローマ人の物語」にとりくむ。93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。99年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労賞を授与される
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
270
再読。前回はハードカヴァーで、今回は「タスカービレ」(文庫)で。「知力では、ギリシア人に劣り、体力では、ケルトやゲルマンの人々に劣り、技術力では、エトルリア人に劣り、経済力では、カルタゴ人に劣る」ローマ人がいかにして世界帝国を築き上げたのか。ローマの隆盛には数々の偶然と必然とが働いていたのであろうし、塩野七生は、それをこれから明らかにしてゆこうとする。フォロ・ロマーノが今に残る奇跡とともに、今もあるローマが形成されたことは、目も眩むばかりだ。学ぼうとは思わないが、壮大な歴史を楽しもうと思う。2012/08/01
ehirano1
219
ローマ誕生についての話。佐藤優氏が主張する「建国には神話が必要」というのがローマについても該当しています。また、ローマは王政7代で国家形成を固めた(≒国家形成を完了)後、王政をとっとと止めて共和政へ。しかしこれは実は偶然というよりも必然の結果であったところが興味深いです。 2016/10/15
ntahima
133
老後の楽しみになんて言っていたが、ついに読み始めてしまった。著者本自体は『ルネサンスとは何であったのか』『海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年』等で体験済みであり、面白さも認識していたが、何しろ文庫版は全43巻!1冊200頁程度で薄いとは言え、読み切るのはなかなか大変だ。1巻目はローマ7つの丘の住み分け、ローマではないが、ギリシャのポリス国家群、特にスパルタのエピソードが目を引いた。毎月ハードカバー版(全15巻)1冊相当をゆっくり読んでいくつもり。最後の一冊を読む頃、私はどこで何をしているのだろうか?2012/07/11
優希
123
薄いながらも内容は濃いというのがいいですね。紀元前753年から始まるローマの歴史の第一歩です。主にローマの起源が描かれていますが、周辺の国の情勢も語られているので、当時の様子がよくわかりました。後に大帝国となるローマ。興亡の歴史が始まろうとしています。地図がふんだんに盛り込まれているのが丁寧だと思いました。下巻へ続きます。2017/08/22
まさにい
92
ようやくこの本に手をつける。気にはなっていたのだが、単行本は値段が高く、文庫本も冊数が多いので古本市場に出回るまで待っていた。それに、ローマについての自分なりの疑問を持ってから読み始めたいと思っていた。まず、ローマが多神教である理由を知りたかった。また、ローマ人は何処から来たのかも知りたかった。このような疑問を持ってこの本を読み始めた。この一巻目はこの点について答えを持っている。また、貴族が日本の貴族とは全く違うものである点も腑に落ちた。とにかく面白い本なので時間はかかるかも知れないが読破しようと思う。2018/11/04