内容説明
食品会社のOL大山田マリモは時々記憶を失う。つい酒でウサを晴らし、飲み過ぎてしまうからだ。立派な人になろうと思って、商品企画もがんばっているのに。気がつけば上司に見てられダメOLの仲間入り。ああ先生、私の居場所はどこにあるんでしょう…。高校時代の恩師、奈良原先生の言葉だけが心の支えである。いつも一所懸命だけどへこみやすく純情な、酒漬けOLマリモの「魂の物語」。
著者等紹介
山崎マキコ[ヤマザキマキコ]
1967(昭和42)年、福島県生れ。明治大学在学中にライターデビューし、その後『月刊アスキー』などのパソコン誌やWebサイトに連載を持つ。2002(平成14)年、処女小説『マリモ』で注目される
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感想・レビュー
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りゅう☆
92
マリモはお酒大好きで時々記憶をなくすOL。頓珍漢な考えや、心のツッコミに軽い気持ちで楽しめるだけでなく、暴言吐きつつも、へべれけのマリモを決して見捨てない坂上君の存在に癒される。ある日、不本意ながら仕事上の企画の失敗により部署を移動させられる。マリモが背負ってる過去は辛く、高校時代の恩師奈良原先生と出会い、立派な大人になることを決意したのに人生はうまくいかない。後半はマリモの心の隙間、葛藤、空回りな雰囲気が重い。面白かったけど個性ある登場人物たちとマリモの関係が最終的に尻切れトンボみたいな感じなのが残念。2018/04/23
siro
29
山崎さん、初めましての作家さんでした。タイトルと表紙の雰囲気からサクッと読めるコメディかと思いきや、なかなか重い物語でした。お酒が大好きな私。ちびりとやりながら読もうかなと昨晩読み始め、前半はお酒で失敗しながらのドタバタに苦笑いしながら読み、次第に彼女の内面の苦悩が見えて来るにしたがって呑みながら読んでる雰囲気じゃないな(笑)と。誰しも認められたいと欲している。ここにいてイイよと感じていたい。私の中にもマリモがいた。先生の言葉に救われる。2013/08/03
keith
24
表紙から突き抜けたOLのお仕事小説かと思いましたが、全然そうではありませんでした。まるで尾崎豊の歌詞のように、自分の存在がなんなのかさえ分からず震えているマリモが、酒に逃避しながらも自分を見つけ出そうとする話だったかな。実のところよくわかりませんでした。2016/01/03
はつばあば
22
あいも変わらず、胸の痛くなる作品だ。「傷つき、あがきながら新しい一歩を踏み出す・・」。無償の愛を注いでくれるはずの親・・・親でも親としての愛情を注ぐ術を知らない人もいるし、親の愛情を逆手に取る子もいる。そんな中で自分が自分でいられる相手が存在する。必ずいる。だって赤い糸の片方を小指に繋いでいるんだもの。間違いのない、赤い糸の人を探すべし(^O^)。2014/07/19
赤い肉球
18
山崎作品は3冊目。またイタイOLが繰り広げるお仕事小説だと思い込んでいたけど、ちょっと違ってた。前半は主人公マリモの心の声に爆笑したりしたけど、後半はずしずし来る内容で、重たかった。フクちゃんと再会した意味はあったのかなぁ、さらに重たくなっちゃった感じする。幼なじみの小出くん、先生との再会など、明るい事もあったから、前向きのマリモになれるかな。この先の、心を入れ替えてのマリモの健闘も読みたかったですね。2015/09/13