新潮文庫<br> ダンシング・ヴァニティ

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新潮文庫
ダンシング・ヴァニティ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 348p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101171524
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

美術評論家のおれが住む家のまわりでは喧嘩がたえまなく繰り返され、老いた母と妻、娘たちを騒ぎから守ろうとおれは繰り返し対応に四苦八苦。そこに死んだはずの父親や息子が繰り返し訪ねてきて…。コピー&ペーストによって執拗に反復され、奇妙に捩れていく記述が奏でるのは錯乱の世界か、文学のダンスか?巨匠が切り開いた恐るべき技法の頂点にして、前人未到の文学世界。

著者等紹介

筒井康隆[ツツイヤスタカ]
1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。’60年、弟3人とSF同人誌“NULL”を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が“宝石”に転載される。’65年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。’81年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、’87年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、’89(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、’92年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。’96年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おにく

22
漫☆画太郎先生が読んだら「はぅわ!」と叫びそうな“コピー&ペースト”多用のドラッキーな小説で、評論家である主人公の日常が、微妙に形を変え、何度も何度も繰り返されてゆく奇妙な小説です。こんな風に、人生の選択を可視化できたら、誰もが目の前の成功をつかみたいと思うでしょうけど、やはり長い人生の中では、あえて廻り道した方が良い時もあるようです。この繰り返しの世界観は後半、少し煩わしくなり斜め読みすることも。でもコーラスの女の子達には癒されました。 2017/09/10

ざれこ

20
売ってなかったから図書館で借りる。パソコンが普及してコピペができるようになったからこそこんなの書けたのよね、と穿った見方もしてしまうが、繰り返されつつ少しずつディテールが変わり時々劇的に次のシーンに突入する、慣れた頃に変貌する世界、わけわかんないながらも読み出すと止まらない妙な魅力。同じエピソードも中盤になるとまた違った展開を見せたり他のエピソードと融合したりと細かい変化を繰り返す、解説を読み「あーなるほどジャズね」と納得した次第。音楽的でかつきちんと文学、こんなの書けるの筒井さんしかいませんね。満喫。2016/05/28

Porco

15
筒井康隆作品を読むのは初めて。ついに読んでしまった。読みながら連想したのは、円城塔とか今敏。今監督は『パプリカ』を映画化しているから当然か。参考文献に東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生』が挙がっていました。時空間を軽々と移行し、何度もリピートする世界。2015/11/06

たぬ

14
☆3.5 コピペコピペ、またコピペ。画太郎先生を思い出す。ちっとも進まないストーリーに通常なら大いに困惑するところだけど、そこは筒井御大ですから。こういう尖ったつくりの作品も大量にあるってことはとっくに知っていますから。特に最後はそれまでの総まとめという感じで言葉の大洪水です。2024/12/31

もちもちかめ

14
筒井康隆…まだ生きてるよね?この人、SFの巨匠っていわれてるとか聞きました。なんか、違うのでわ。まともに読んでんのか。こないだも星新一、SFっていうから、ずーっと読まず嫌いだったのを後悔したばかりです。変にひとくくりにするの、やめて欲しい。本当に困るし、実害ありまくり。ときにこの本。途中下車しそうになったけど、気を取り直し、きっとこんなエンディングだろうから、と我慢して読んでたら、読みが当たるわ、予想以上に感動したわでありがとうございます先生。2016/11/13

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