新潮文庫<br> 私説博物誌

新潮文庫
私説博物誌

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101171104
  • NDC分類 914.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

saga

35
【再読】著者の博覧強記ぶりが存分に発揮されたエッセイ。生物・無生物、そして想像上・SF的生物を主題にしながら、人間社会に対する鋭い風刺が絶妙だ。「ジョウチュウ」の項で、モデルの中にはサナダムシに寄生された女性が多いという未確認でしょうもない情報を得たのも本書だったような気がする。エスカルゴとして食用にもなる「リンゴマイマイ」は、最近地元で特定外来種で駆除対象のヒメリンゴマイマイが発見されたということもあって、なかなか興味深かった。2018/02/26

亮人

26
ツツイ流の博物誌エッセイ集。マニアックな物から架空の物まで動植物を丁寧に解説しつつも、その動植物の特性を人間に置き換えることによって話はいつしか大きく脱線して日本人や人間社会への批判にまで発展する。このパターンが心地よい!動物学者の父上ゆずりの博物学の知識が知らずに吸収できる上に、ツツイ先生の切れ味鋭いエッセイまで楽しめる、一口で二度おいしい楽しい一冊。2015/03/23

田氏

22
動植物に寄生虫、ときには実在非在の垣根をこえて、博覧強記ぶりと筆力に嫌でも感服せざるをえない博物エッセイ。スカンクとクズリの項には『虚航船団』の萌芽が感じられたり、他にも自著についての裏話などもあったりで、これに手を付けるのはもっと筒井作品を読み込んでからでもよかったのかもしれない。しかし40年ほど前の著述ということもあり、節々に時代を感じさせる物言いも少なからずあって、これ、なにかと口うるさい今の御時世にゃ再版もできないんじゃなかろうか。まあ、それを現行の価値観で裁くようなつまらん読み方だけはするまい。2019/09/22

Porco

15
旅行先の古本屋を漁ってたところ「筒井康隆」の4文字を見つけて即購入。発刊は1976年と丁度七瀬シリーズを書かれていた頃だろうか。毎日新聞のコラムが元らしいが回ごとに生物一種を取り上げ、父である筒井嘉隆先生譲りの知識と当人の面白おかしい文章で読み応えと面白みの感じるコラムとして仕上がっている。面白さだけでなく知らないものがあれば「へぇー」と感心し、子供の頃によく見たTV番組『どうぶつ奇想天外』のような面白さと知的好奇心を刺激される感覚の両方を味わえる本だった。2023/09/11

kurupira

10
個人的なブームだがここ数ヶ月で博物誌が気になってる、今やネットで簡単に情報が得られる世の中だが、一つのこだわりで纏められた本は貴重だなと思う。本作品は主に実在する生物がテーマだが、実在しないであろう生物、河童とかも取り上げており、さすが筒井さんである。 「博物誌」で本を検索したら、、沢山あるなあ、やばいジャンルに手を出してしまったか。。2018/07/04

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