内容説明
恋愛、猫の飼いかた、礼儀作法、言葉というもの…身の回りの諸問題は、考え始めればどこか切なく、密かに愉しい。1970年代初頭、著者は人生の局面で出会うあれこれに、肩ひじ張らぬ洒落た態度で取り組む先達だった―。いまの世の中に溢れているのは、浅ましく計算ずくで夢のない人生論ばかり。損得抜きで気を楽にしてくれる智恵がほしいと考える、あなたのためのエッセイ集。
目次
クワセモノ
狼少年
川の底
花火
キザ
不在通知
百円玉
軍服
放出品
防禦〔ほか〕
著者等紹介
伊丹十三[イタミジュウゾウ]
1933(昭和8)年映画監督伊丹万作の長男として京都に生まれる。映画俳優、デザイナー、エッセイスト、後に映画監督。TV番組、TVCMの名作にも数多く関わり、精神分析がテーマの雑誌「モノンクル」の編集長も務めた。映画「お葬式」発表以降は映画監督が本業に。数々のヒット作を送り出した後、’97(平成9)年12月没
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感想・レビュー
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優希
51
『女たちよ!』とは異なり、多彩さを見せています。人生論と受け取ってもいいでしょう。世の中納得いかないことばかりと思うのは皆同じなのですね。2020/10/26
Shoji
33
前作に比べて、ライトなタッチになっています。内容も随分違っていました。軽快に肩肘張らずに読むことが出来ました。2022/03/27
ゆうきなかもと
4
伊丹十三はやはり良い(^-^) 「ヨーロッパ退屈日記」とはまったく異なる作風だったので、最初はなんだかつまらなく感じたが、ちまちま読んでいくうちに、だんだんはまってきた。 「犬は家来である」「猫は人間と対等である」と強がるところや、ヨーロッパで大量に脱毛し、帰国語、皮膚科の先生に「全然心配いりません」と慰められるも、その先生が「完全な卵形に見事に禿げていた」とくるところなど、機転の利いた面白さが味わえる(^^)2015/08/29
赤ヒゲ
3
伊丹十三さんを知ったのは映画からですが、「伊丹十三の本」という本に「エッセイスト伊丹十三のピークに位置する傑作である」とあったので読んでビックリ!すごく面白い!例えば「辞書」の書き出しは、「笑うという字がいかにも笑ってるように見えるのを発見したのは、小学校三年の頃だったと思う」とか、「済んでしまった!」では、昔の仏映画でみた「人間は生涯で3回恋をすることができる」という話から始まり、初恋、二十代の恋があって、あと1回できるぞと多くの人が共感できるカラクリがつまびらかにされる。こんな話が46編も楽しめます。
ちゃんぷる
2
格好良い。ユーモアと品位が同居してます。憧れる。2018/08/17