新潮文庫
無常という力―「方丈記」に学ぶ心の在り方

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 158p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101166568
  • NDC分類 914.42
  • Cコード C0195

出版社内容情報

八百年前、幾多の天災や荒廃する人心を目にし、人生の不運をかこちながら綴られた「方丈記」。その深い智慧と覚悟を説く好著。

無常の力とは何か、風流とは何か。八百年前、飢饉・大火・大地震など幾多の天災に遭い、荒廃する人心を目にし、人生の不運をかこちながらも、方丈の庵を結んで心を清め、「無常の世」を綴った鴨長明。福島県三春町で僧侶として暮らし、災いに満ちた現代と東日本震災後の「フクシマ」の現実と向き合う作家が、『方丈記』の真髄に迫り、しなやかに生きる智慧と覚悟を深く静かに説く。

内容説明

無常の力とは何か、風流と何か。八百年前、飢饉・大火・大地震など幾多の天災に遭い、荒廃する人心を目にし、人生の不運をかこちながらも、方丈の庵を結んで心を清め、「無常の世」を綴った鴨長明。福島県三春町で僧侶として暮らし、禍いに満ちた現代と東日本大震災後の「フクシマ」の現実と向き合う作家が、『方丈記』の真髄に迫り、しなやかに生きる智慧と覚悟を深く静かに説く。「方丈記」原文と現代語訳(玄侑宗久監訳)付。

目次

1 無常を生きる
2 天災と人災の果てに
3 人はこの世に仮住まいをしている
4 「賢き御世」でない時代
5 数えきれない死体の中で
6 大地震で人間は変わったか?
7 どこに住めばいいのだろう
8 五畳あまりの小世界
9 ものうしとても、心を動かす事なし
10 揺らぎつづけろ
11 手作りの、小さな自治のために

著者等紹介

玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956(昭和31)年、福島県三春町生れ。慶應義塾大学中国文学科卒。様々な仕事を経験した後、京都の天龍寺専門道場で修行。現在は臨済宗妙心寺派の福聚寺住職。デビュー作「水の舳先」が芥川賞候補となり、2001(平成13)年、「中陰の花」で芥川賞を受賞。’14年、『光の山』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

to boy

24
3.11を経て方丈記を改めて読み直す玄侑さん。出だしだけは覚えていますがその後は知らないことばかりでした。驚いたのは方丈記の最後で山の中の草庵を愛することは執着にすぎない と自己否定していることでした。すさまじくも厳しい教えだと思いました。福岡さんの解説も良かった。生物の動的平衡も無常の考えに似ているって、なるほどと思いました。2015/07/28

naji

18
今ある世の中のことを全て、知った様な気になっているが、実はそうでは無い!!特に天災など自然の猛威に対して、人間の力では手も足も出ず、諦めるしかない(無常)。その中においてもなおコツコツと努力していける、これもまた人間の素晴らしい事なのだと感じられた一冊でした。是非『方丈記』を読み直そう!解説の福岡伸一氏の文も読み応えあるなぁ〜。2015/12/26

活字スキー

18
「世にしたがへば、身、くるし。したがはねば、狂せるに似たり」作家で僧侶の著者が、3.11の衝撃覚めやらぬ中で『方丈記』の魅力を再評価。自分は既読だったけど、今も迷いや生き辛さを抱えて苦しんでる人や、古典に親しむきっかけを求める人にオススメ。無常観……というか、良い意味で開き直る事は大切だと思う。800年たっても変わり映えしない人間と社会の本質。動的平衡と仏教思想がごく自然と融け合う、生物学者の福岡伸一さんの解説も面白かった。2015/10/05

ニャンリッチ

16
鴨長明の方丈記を読み解く!癒された。この世は一時の仮の宿に過ぎない、といわれたところで人生はラクにならないが、私たちは絶えず流れの中に拡散されてくし、絶えず更新されていくと思えば、寂しくも目の前のことに必要以上に悩む必要もないと思えてくる。それから、信念がないことを馬鹿にする風潮があるが、信念が執着に変われば単なるデクノボーの始まり。まさに「死ぬまで揺らぎ続けることこそ、風流な、無常という力なのです。」(P.79)2017/09/18

サンノート

11
仏教において、悟りは禅定を経ることでしか得られないとされる。禅定のひとつに坐禅がある。坐禅の間は、呼吸に意識を集中させつつ、周囲の状況を観察するのがブッダのやり方。もし、集中が途切れたら、「集中できていないな」と、客観的に自分を見つめることが作法。これは、世界の変化を見つめる、ということ。世の中は常に変化し続けており、変わらないものなどひとつもない。世界は変わっていくことが正しい。だから、意固地になるのではなく、その変化を受け入れることが大切。無常に生きるとは、変わってもいいんだ、という人生訓だ。2015/07/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8123171
  • ご注意事項

最近チェックした商品