新潮文庫
「死の棘」日記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 557p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101164052
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

思いやり深い妻が夫の不実の証拠を眼にし、狂気に苛まれ豹変する―。夫婦の絆の行き着く果てを描き、昭和52年の刊行以来読み継がれる小説『死の棘』。本書は、その背景をつぶさに記録した日記である。不安に憑かれ、夜を徹して責める妻、心身共にぎりぎりまで追いつめられ、心中の相談をもちかける夫…。小説よりも凄まじい夫婦の軌跡を記し、深い感動を呼ぶ日記文学の傑作。

目次

昭和二十九年九月
十月
十一月
十二月
昭和三十年一月
二月
三月
四月
五月
六月
七月
八月
九月
十月
十一月
十二月

著者等紹介

島尾敏雄[シマオトシオ]
1917‐1986。横浜生れ。九大卒。1944(昭和19)年、第18震洋隊(特攻隊)の指揮官として奄美群島加計呂麻島に赴く。’45年8月13日に発動命令が下るが、発進命令がないままに15日の敗戦を迎える。’48年、『単独旅行者』を刊行し、新進作家として注目を集める。以後、私小説的方法によりながらも日本的リアリズムを超えた独自の作風を示す多くの名作を発表。代表作に『死の棘』(日本文学大賞・読売文学賞・芸術選奨)、『魚雷艇学生』(野間文芸賞・川端康成文学賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しーふぉ

21
羽田圭介が死の棘という私小説を紹介していたので、作者の当時の日記を読んでみた。しかし、やはり死の棘を先に読むべきですね。狂気に満ちた生活の中にある愛は垣間見える。2020/08/08

井戸端アンジェリか

19
「死の棘」がミホの狂気だとすると、こちらはトシオの狂気。日記なだけに自分の心が描かれていました。イニシャルだけだった友人知人が本名で登場して、あら、安部公房に吉行淳之介?不倫御三家じゃん、と笑ったり。退院してからの奄美でのその後が知れて満足です。2019/08/25

7kichi

5
この表紙写真のように妻が寄り添ってくれるか勉強になった。2009/08/14

amanon

4
以前読んだのを再読。最初、読んだときは島尾のエゴや優柔不断な言動に苛立ちや憤りを覚えたという印象があるのだけれど、今回読み返してみると、むしろ島尾が抱えている夫として、父親として、家長としての苦悩がリアルに伝わってくるように思えた。また、解説にもあるように、精神疾患を患った母と、その母に時に翻弄され自らも錯乱状態に陥る父を鋭い目で見つめる息子伸三の言葉には子供が発した物とは思えないくらいの重みが備わっている。そして、恐らくこの頃の体験が原因で、後年言語障害を患うことになる娘マヤを思うと心が痛む。2012/12/31

のぼる

2
この本は、どういう態度で読むのが適切なのだろう。「死の棘」を読了したので、補足資料として世に出すつもりではなかったであろう日記にも手を出した。何とか頑張って読んでいたが…延々と続く重苦しさに疲れ、所々飛ばしてしまった。島尾さんは間違いなく記録魔!あった事を全部記さねば気が済まないみたい。だから妻に浮気がばれて大変な目に遭うんだよ…しかし、前書きの文章で妻のミホ氏が頭脳明晰であることがよく分かる。そんな人をも神経症にする夫婦の情って何なのか。「浮気がばれて一家めちゃくちゃ」あれ、内容を一言で言えた。2013/07/26

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