内容説明
百億円相当のコカインを、小型機で密輸しようとする犯罪グループ。沖縄・下地島の自然に抱かれ疲れを癒す、ふたりのパイロット。結びつくはずのない両者が出会ったとき、事件は全貌を現した。激しい台風の中、忽然と姿を消したセスナの謎。そして、追いつめられた男たちによる訓練用ジャンボ機のハイジャック。世界一不運な副操縦士・江波順一は、恐るべき難局を打開できるのか。
著者等紹介
内田幹樹[ウチダモトキ]
1940‐2006。東京都生れ。1965(昭和40)年、航空会社入社。ボーイング747‐400などの機長として国内線、国際線に乗務。その間十数年にわたり、操縦教官としてライン・パイロットの教育にあたった。’97(平成9)年、処女長編小説『パイロット・イン・コマンド』でサントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。プロのパイロットが書いた本格航空小説として高い評価を受けた。小説の一方、その経験を生かしたエッセイも手がけ、『機長からアナウンス』『機長からアナウンス第2便』は、ともにベストセラーとなった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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piro
21
再読。かつてパイロットの実機訓練が頻繁に行われていた沖縄・下地島を舞台に繰り広げられるサスペンス。前作『パイロット・イン・コマンド』で受けた精神的ダメージを癒す為、副操縦士江波は、かつての指導教官滝内を訪ね下地島を訪れます。楽園の様な南の島での穏やかな時間を過ごす江波ですが、台風の襲来と共にある事件に巻き込まれる所から彼と周りの人々の不運が始まります。飛行機が飛ぶ場面の記述は流石に秀逸。その上構成も良く、最後まで楽しんで一気に読む事ができました。所々エロオヤジ視点の光景が混じるのはご愛嬌(笑)2019/12/24
ペトロトキシン
7
今回は航空機のシーンはそれ程ない。タイトルは『機体消失』だが、機体消失のカラクリのようなものは、ボヤッとしてて解りにくい。精神的なダメージを負ってしまった江波の下地島でのひと時の生活の章は、読んでいて心癒される気分であった。サキのキャラクターが、如何にも沖縄でのスローライフを送る女性を表現していて、沖縄に行ってみたくなった。2011/09/13
雄策
4
順番まったく間違えて『操縦不能』から読み始めました。で、パニックというか、サスペンスを期待していたのにいつまでたっても地上から離れる気配さえ見せず少々がっかりしていたのですが、ラストで見事なサスペンス!「機長は搭乗者全員の安全に責任がある…いま、君がPICだ」には感動。ボクも鉄道で乗務員をしていたこともありちょっとだけわかる気がする(重みは全然違うが)。これは江波のトラウマを描いた『パイロット・イン・コマンド』も読むしかない。あとがきで言及していた尖閣問題。10年以上前から予見できていたことに脱帽。2013/02/20
*takahiro✩
3
宮古島から戻ったばかりで読んだ。今までと違って飛行機は脇役、主役は南の島。それでも面白かった。2019/03/14
hayatama
3
NIAサーガ第2作。(文庫化の順序は違うけど。)しかし、内田幹樹、ホントに惜しい。このシリーズって10冊くらいにはなったはず。2009/10/03