出版社内容情報
勝ち残り生き残るたびに、人の恨みを背負わねばならぬ。それが剣客の宿命なのだ――剣術ひとすじに生きる白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と浅黒く巌のように逞しい息子・大治郎の名コンビが、剣に命を賭けて、江戸の悪事を叩き斬る――田沼意次の権勢はなやかなりし江戸中期を舞台に剣客父子の縦横の活躍を描く、吉川英治文学賞受賞の好評シリーズ第一作。全7編収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
175
鬼平、梅安シリーズのあとはこのシリーズです。ハードカバー、文庫、コミックと読んできて再度文庫版です。ところが読み始めて、すっかり内容を忘れてしまっていることに気がつきました。田沼意次の娘が女剣士、小兵衛の奥さんがえらく若いということは覚えていますがそれ以外のところは・・・。最初には7つの話が収められていて、かなり強い爺さんということがよくわかりました。池波さんはやはりシリーズで短編の方が面白い感じです。2017/07/24
ken_sakura
149
これは面白い♪( ´▽`)時は老中田沼意次の時代。父秋山小兵衛60歳、息子秋山大治郎25歳の剣客二人が主人公。金がモノを言い、侍はナマクラ、剣に生きるには世渡りも上手くなきゃあいけない世界観。脇役もキマっていて、出てくる食べ物がやたら旨そう。もう最後まで読むだろうと思うシリーズ第一巻(^_^)三冬に弟子入りしたい。投げ飛ばされたい読後感( ̄^ ̄)ゞ2017/03/29
むーちゃん
139
鬼平犯科帳に続くシリーズもの。 池波エンターテイメント炸裂です。 司馬遼太郎ワールドともちがう剣客商売楽しめます😄2019/09/29
yoshida
130
時は江戸中期。中老田沼意次の権勢が華やかな時代。剣客秋山小兵衛と、息子の秋山大治郎が活躍する。圧倒的な面白さ。まず、登場人物の個性が際立つ。59歳と思えぬ小兵衛の飄々とした活躍と小気味良さ。息子の大治郎の朴訥としながらも豪快な剣。田沼意次の娘である佐々木三冬は男装の麗人で剣客でもある。ユーモアを添えるのは小兵衛の歳の離れた妻おはる。登場する他の剣客たちも印象深い。秋山父子の活躍が読んでいて飽きない。昭和48年の作品だが時間を超えて読み継がれるのも納得だ。池波正太郎さんの筆力に感服した。次巻が楽しみすぎる。2021/01/01
優希
128
面白かったです。剣術一筋に生きる秋山小兵衛と大治郎の名コンビの個性もいいし、女剣士・佐々木三冬も格好良いです。田沼意次の権力が強い江戸中期に江戸の悪事を斬る剣客父子の活躍にのめり込んでしまいます。人の恨みを買ってでも勝って生き延びなければならない剣客の宿命は悲しいものがありますが、小気味良い掛け合いで物語としても面白く読めます。美味しそうなものが出て来るのにも惹かれます。小兵衛の強さが目立つものの、大治郎の成長もまた微笑ましい。シリーズを追いかけたくなります。2016/02/11