内容説明
剣の境地はいずれにあるのか。戦乱の世にあって、兵法を練り上げていく剣客たち―新陰流・上泉伊勢守、新当流・塚原卜伝、二天一流・宮本武蔵、巌流・佐々木小次郎、柳生新陰流・柳生石舟斎。男たちは、ときに師弟となり、ときに死命を争いながらも、その心技を受け継いでゆく。歴史時代小説の名手五人が描いた剣と戦の世を生きる人々の真の姿。名篇・傑作を選りすぐった剣豪小説集。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923‐1990。東京・浅草生れ。「錯乱」で直木賞受賞。代表作に「鬼平犯科帳」「剣客商売」シリーズなどがある
津本陽[ツモトヨウ]
1929(昭和4)年、和歌山市生れ。『深重の海』で直木賞受賞。代表作に『柳生兵庫助』『下天は夢か』などがある
直木三十五[ナオキサンジュウゴ]
1891‐1934。大阪生れ。昭和初期に活躍。その業績を記念して直木賞が設立された。代表作に『南国太平記』などがある
五味康祐[ゴミコウスケ]
1921‐1980。大阪生れ。「喪神」で芥川賞受賞。代表作に『柳生武芸帳』『秘剣』などがある
綱淵謙錠[ツナブチケンジョウ]
1924‐1996。樺太生れ。「斬」で直木賞受賞。代表作に『戊辰落日』『怪』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
151
時代小説の剣豪に関するアンソロジーです。それこそこの分野の手練れが5人の剣豪に関する小説を書かれています。どれもが傑作だと思います。池波さんのは読んでいたのですが他の人のは初読です。あまり読まない綱淵謙錠さんの「刀(柳生石舟斎)」が印象に残りました。毀誉褒貶の多い石舟斎ですがここではよく書かれています。2016/04/25
みずたま
24
バカボンドを連想して表紙借りしてしまった一冊(笑)上泉伊勢守、塚原卜伝、宮本武蔵、佐々木小次郎、柳生石舟斎の5名の剣豪アンソロジー。上州人としては上泉伊勢守がイチオシ‼︎←でも実はそんなによく知らなかった…(*´罒`*) これを機に是非読んでみよう。全体的には各短編より巻末の総解説が一番分かりやすくて良かったかな^^;2015/07/26
tomi
14
上州の偉人を知りたくて「上泉伊勢守」(池波正太郎)目当てで読む。長篇化した「剣の天地」が有名だが、この作品も短篇ながら戦国城主でもあった上泉の波瀾の生涯が描かれていて一番の面白さだった。◇巻末の末國善己氏による総解説がそれぞれの剣豪と流派、作品など25頁に亘って解説されていて読み応えがある。武蔵非名人説を唱えた直木三十五と吉川英治が論争になり、吉川が反論するために書いたのが「宮本武蔵」、吉川の剣豪像を否定して作品を書いたのが五味康祐だったとか。2013/02/05
タカシール
3
『上泉伊勢守』(池波正太郎),『一つの太刀(塚原卜伝)』(津本陽),『宮本武蔵』(直木三十五),『真説 佐々木小次郎』(五味康祐),『刀(柳生石舟斎)』(網淵謙錠)の五編が収録されている剣豪アンソロジー。総解説もわかりやすくて良。剣豪小説を読んでみたいけど、どこから?という人にオススメです。剣豪だけでなく時代小説の入り口としてもよいと思います。2014/11/20
トトロとろとろ
2
吉川英治の宮本武蔵も好きですがこっちの宮本武蔵もいいですね。直木三十五初めて読みました。とても読みやすかったです。他のも読んでみたい。2016/04/12