出版社内容情報
妾を恋しがる病床の兄が、弟に託した最後の頼みとは――。池波流のユーモアがたっぷりちりばめられた表題作ほか、傑作短編11編。
人間という生きものの不思議さ、運命のおそろしさ……“ポン引き”の生き方を活写した軽妙洒脱でユーモラスな表題作、忠臣蔵の悲劇の主人公浅野内匠頭の、説明のつけようもない二面性を照射した「火消しの殿」、芝居や映画のヒーローとしてではなく、一人の武士として己れの立場を貫いた男を描く「荒木又右衛門」など、著者の多岐多彩な小説世界の粋を精選した11編を収める。
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- 和書
- 人間小唄 講談社文庫