出版社内容情報
神出鬼没、変幻自在の怪盗・雲霧。政争渦巻く八代将軍・吉宗の時代、狙いをつけた金蔵をめざして、西へ東へ盗賊一味の影が走る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
89
プロの盗賊の物語は時代に関係なく爽快ですね。八代将軍・吉宗の時代に暗躍した神出鬼没にして変化自在の怪盗・雲霧仁左衛門。金蔵を狙って走り回る姿に惚れました。盗賊一味が暗躍し、それを追う火付盗賊改方。白黒つかない善悪があり、その中での争いにのめりこんでしまいます。同じ時間軸で様々なことが起きるのに読みやすい。仁左衛門の謎などまだまだ読めない展開がありそうです。後編でどう回収されるのか楽しみです。2016/03/12
ポチ
71
TVで雲霧仁左衛門を見て本を読みたくなりました。火盗改や他の盗賊との攻防などドキドキ感が面白い。中井貴一や伊武雅刀を思い浮かべながら読んだのでTVの続きみたいで、より楽しめました。2019/06/22
アッキ@道央民
53
これまで何度かTVなどで映像化されている作品。盗賊・雲霧一党と火付盗賊改の息詰まる攻防も楽しみな作品。音も立てずに忍び込み盗みを働き、しかも家人などの殺生をせず・・・。まさしく闇夜に蠢く雲や霧のごとく鮮やかな手口は流石の一言。狙いをつけた商家に何年も前から引き込み役を入れて、念入りな準備を進める様子に引き込まれるように読み進めました。江戸時代版のダークヒーロー。お頭も謎めいているけど、後半戦でどのような展開が待っているのか楽しみにしながら下巻に進みます。2018/01/19
優希
50
面白かったです。雲霧仁左衛門はプロの盗賊と言っても良いでしょう。その暗躍は格好良く、惚れずにはいられません。ハラハラドキドキ手に汗握る展開にのめり込み、あっという間に読んでしまいました。後編も読みます。2023/02/13
kawa
46
旅行移動のお供にと書棚を物色していたら、30年以上片隅に置き去りにしていた彼から「連れってくれ」と囁やかれたような気がしての本書。いやあ流石の池波エンタメ悪漢小説の代表作。読み手の気を逸らさない秀逸の仕上がりに脱帽で600頁超えが気にならない。直前読了の山周先生短編「武道無門」に取り上げられていた事件が、本書でも登場にびっくり、史実だったのかも知れない。後編、明日から読むか、旅行最後の長距離移動日に読むか迷ってしまうな。2025/03/10