出版社内容情報
関ケ原の合戦で徳川方が勝利し時代の波の中で失われていく忍者の世界の信義……一匹狼となり暗躍する丹波大介の凄絶な死闘を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とん大西
102
面白かった‼まさに忍エンターテイメント!初めこそ600頁の分厚さに怯んだものの、主人公大介をはじめとする甲賀伊賀入り乱れての忍合戦に魅了され、最後は読了するのが名残惜しかったです。時は戦国末期、太閤秀吉の死で騒乱の兆しをみせはじめたかりそめの天下。家康、三成、島左近、真田-関ヶ原前夜に繰り広げられる英雄達の謀略戦。その影で躍動する忍者。跳躍、疾走、闘争-気迫と血気のハードボイルドが行間に溢れ出す。思慕、情愛、哀愁-大介の剽げたダンディズムが物語に血を通わす。最高でした。アレで終わりなんてモッタイナイ!2019/02/03
優希
65
面白かったです。甲賀の身を捨て、自分の信じるものに従って戦う丹波大介の姿が勇ましく見えました。秀吉亡き後、均衡を崩し、激変していく乱世の世。大名に仕える忍びたちもまた時代に翻弄されていきます。そんな中で、丹波大介が求めたものこそ信義なのかもしれません。ただ、組織は裏切っても情は捨てられないのもなのですね。それが敵味方の関係が非情にならないことにつながっているのだと思います。様々な武将の裏側で暗躍する忍びの世界を描いているのが目に見えます。豪快且つ爽快な作品でした。2015/03/24
mint-s
50
豊臣秀吉没後、関ヶ原の合戦まで。激変する時代、歴史の裏側で暗躍する忍者・丹波大介。忍者って長距離を疾風の如くかけるとか殺気を感じ取るとかいろんな能力があって、手裏剣や火薬玉などいろいろ道具使いこなすし、すごく興味深くて昔から好きでした。600頁を超える長編ですが、人物が生き生きとしていて楽しみながら歴史の勉強をさせてもらいました。2022/05/14
優希
49
格好良い生き様を見せてもらった気分です。秀吉死後、関ヶ原を経て世は徳川の時代に。信義を核にしている忍者のあり方も変化するのも時代だなと。丹波大介が甲賀の身分を捨て、自ら信じるもののために生きる道を選ぶのも納得です。歴史の背後で暗躍する忍びを軽快に描いていてハマりました。2023/02/23
ひろ20
37
池波正太郎さん、初挑戦。難しいかなと思っていましたが、この文章なら600ページの長編もいけるかもと読み始め、ぐいぐい物語に入っていけました。忍者🥷にスポットをあてた時代小説。豊臣秀吉歿後、甲賀忍者だった丹波大介は、頭領の寝返りの命令によって、自身の仕えていた幸村の首を討つ羽目になった。土壇場で、頭領、甲賀の仲間達を裏切って幸村を助け出す所は読み応えがありました。誰の命令でもなく、自分が信じた人の為に働きたいと丹波大介の命をかけた忍びの働きに夢中になりました。面白かったです。 2022/06/06