出版社内容情報
南都焼き討ちの罪を負う囚われの平重衡と白拍子との儚い交情。一方、義経は頼朝の不興を買い、平家追討使の大役は範頼に下される。
おう、遠いかなたに見ゆるは、大仏殿の焼け跡よな。南都焼き討ちの総大将平重衡は、一ノ谷の合戦で源氏方に捕えられ、都大路を引きまわされた後、鎌倉に送られた。重衡の処遇を北条時政と話し合った頼朝は、重衡の斬罪を急がず、その心を試し、将来に利用するため、伽の女として白拍子の千手の前を与えることに。一方、京の義経は華々しい戦功をたてながら除目の沙汰もなく、依然無位無官のままだった……。重衡と白拍子の儚い交情、義経と頼朝の軋轢を描く第十四巻
内容説明
南都焼き討ちの総大将平重衡は、一ノ谷の合戦で源氏方に捕えられ、都大路を引きまわされた後、鎌倉に送られた。重衡の処遇を北条時政と話し合った頼朝は、重衡の斬罪を急がず、その心を試し、将来に利用するため、伽の女として白拍子の千手ノ前を与えることに。一方、京の義経は華々しい戦功をたてながら除目の沙汰もなく、依然無位無官のままだった…。重衡と白拍子の儚い交情、義経と頼朝の軋轢を描く第十四巻。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892‐1962。神奈川県生まれ。船具工、記者などさまざまな職業を経て作家活動に入る。国民文学作家と親しまれ、1960(昭和35)年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
27
大仏殿を焼く。人々の現世の災難を防ぐ術を失い、来世の救い望みを断つという事。日本史上最も罪深く、最も憎まれたであろう清盛の五男、平重衡。囚われて戦場で死ねず、京で引廻され、鎌倉に収監された虜の身は、いずれ非命に倒れる将来。利用され活かされる生でも、それまで生きて、より深く恨まれる事で贖罪と廻向を心に。法然に得度を受け死を覚悟した重衡に、人の器として引け目を覚えた頼朝が、重衡の弱さを見つけるため差し向けた、白拍子・千手の情愛や男女を超えた交感。ひとの業を解く僧の復讐心により命絶たれても、すでに弥陀の彼岸へ。2018/11/07
ソングライン
15
一の谷の戦いで生け捕りにされた重衡のその後を描く14巻です。源氏の威光を示し、平家との戦いの駆け引きとするため、鎌倉に護送される重衡。御家人が取り巻く中、重衡は、臆することなく、自分を卑下することなく、頼朝と対面します。鎌倉に向かう前、法然上人との出会いで、大仏殿を焼き、平家の罪業をすべて背負ったあなたは既に仏と一つとなったと諭され、心静かにその最後をむかえます。重衡を慕う女たちの想いも切ない別れです。2019/11/23
ムカルナス
9
前半は生け捕りされた平重衡の物語。予期せず南都焼き討ちになってしまった罪滅ぼし、平家政権の罪滅ぼしとして捕虜の辱めを受ける道を選び、法然の導きもあり心安らかに最期を迎える。平家都落ち以降の各々の最期の物語は鎮魂でもあり、死の美学を読者に語っているようにも思える。後半は頼朝との溝が深まる一方の義経の苦悩。一の谷の行賞もなく、鎌倉から密偵のような嫁を送り込まれる。耐え忍ぶ義経のストレスも限界。従五位下の叙任も受け静との愛にのめり込んでゆく。義経は使い捨てという頼朝の腹も見えてきて前途は暗い。2019/08/02
gushwell
7
前半は、一ノ谷の戦いで源氏軍に捕らえられた平重衡の話が中心。鎌倉へ護送される前の法然との会話が心に響きます。30歳前の重衡の言動やその覚悟には感じ入らずにはいられませんでした。 後半は、義経と頼朝のと確執が徐々に深まっていく過程を描いています。義経側から語られているので、頼朝がどんな考えだったのかがよくわかりません。単なる誤解以上のものがあったのだろうとは想像できますが... 2016/08/20
スー
6
今回は頼朝と梶原景時が益々嫌いになりました。遂に木曽義仲の息子の義高を殺してしまいました。巴はせめて子供の側にいたいと捕虜になったが願いかなわず姿を消してしまう。頼朝夫婦の娘、大姫はショックの為に寝込んでしまい、両親を鬼と罵るようになる。平重衡と千手の前の純愛と義経と静と百合野の愛が救いでした。義経は相変わらず冷遇され平家討伐から外されてしまうが義経のいない源氏方は苦戦してしまう。やっと義経の出番か?2016/10/15




