出版社内容情報
伊豆に流されて十八年、源氏の嫡流・頼朝は、北条時政の娘・政子と恋におちるが。配流の地で、時至るのを待つ頼朝を描く第五巻。
ひともあろうに、配所の流人を、恋のあいてに選ぶとは。伊豆に流されて十八年、源氏の嫡流・頼朝は、朝夕に経を唱え、書写す日々を送っていた。頼朝と恋仲の北条時政の娘・政子には縁談が持ち上がるが、頼朝に与する土豪の若党たちは、婚礼の場から政子を強奪することに成功する。一方、都では、後白河法皇と、強訴を企てた延暦寺との対立が激化し、座主が追放される事態に……。伊豆の地で時至るを待つ頼朝と陰謀渦巻く京の都を描く第五巻。
内容説明
伊豆に流されて十八年、源氏の嫡流・頼朝は、朝夕に念仏を唱え、経を書き写す日々を送っていた。頼朝と恋仲の北条時政の娘・政子には縁談が持ち上がるが、頼朝に与する土豪の若党たちは、婚礼の場から政子強奪に成功した。一方、都では、後白河法皇と、強訴を企てた延暦寺との対立が激化し、座主が追放される事態に…。僻〓(すう)の地で時至るを待つ頼朝と陰謀渦巻く京の都を描く第五巻・火乃国の巻。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892‐1962。神奈川県生まれ。船具工、記者などさまざまな職業を経て作家活動に入る。国民文学作家と親しまれ、1960(昭和35)年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
28
伊豆に流された頼朝の青春は、写経と謹慎に明け暮れ、謀反の兆しなく齢31を数える頃、平家の代人として伊豆を治める北条時政の娘、政子との逢瀬を重ねる。成らぬ恋にも泰然としてはいるが、源氏の嫡男としては覇気の欠けるような様は、本懐は未だベールの中。時は戻り、都の方は、平家の隆盛を面白がらない後白河法皇と摂関家などの旧勢力。平家との武力衝突による共倒れを画し、流言飛語や天災に乗じた迷信の人の紊れは、比叡山の僧兵による擾乱を引き起こす。責任を取る形で山を降りた弁慶は、陰謀の火炎に巻かれた京の中心で咆哮す。2018/08/22
ソングライン
14
伊豆の国に流され一八年、写経と読誦を欠かさず暮らす頼朝の周りには、源氏の再興を願う若者が集いますが、彼の真意が明かされることはありません。頼朝の監視役北条時政の娘政子と頼朝の恋が、平穏であった伊豆の生活に風雲をもたらします。一方、鹿ケ谷会議が発覚する都では、武蔵坊弁慶が登場します。未だ平家の世に揺るぎのない5巻です。2019/08/31
gushwell
9
この巻は、前半は頼朝と政子の恋。後半は、話を京に戻し、比叡山と院との対立、そして武蔵坊弁慶登場。さらに歴史が動きそうな気配です。頼朝と政子がどういう経緯をたどって夫婦になったのかとても興味深く読めました。今後後白河法皇と清盛との関係がどうなっていくのかも興味があります。2016/05/22
ムカルナス
8
頼朝と政子の恋と鹿ケ谷会議までの状況を描く。政子はイメージ通りだが、頼朝は人を惹きつける力を持つ人物である反面かなりの女好きだったらしい。政子との恋は結果的に吉だったのか凶だったのか?朝廷では後白河周辺の藤原成親らが蠢きはじめ源頼政も吸い寄せられていく。成親は平治の乱で反平家だったが妹が平重盛の妻という縁で助命され、頼政は源氏から平家に寝返った経歴を持つ。自分の待遇に不満を持ち謀反を企てたり、反平家の思いを持つ人物に情けをかける。頼朝も崇徳院よりはるかに自由に暮らしており平家の甘さが綻びを生む結果となる。2019/05/29
穀雨
5
「火の国」伊豆の韮山が舞台ということで、静岡県民として登場する地名や風景描写に親しみを持って読んだ。頼朝とのなれそめはどうあれ、北条政子の存在がなければ地方の地役人に過ぎない北条氏が執権として天下を治めることはなかったわけで、人や家の命運はほんとうにどうなるものかわからないと思った。後半では武蔵坊弁慶も出てきて、物語がいよいよ面白くなってきた。2019/11/20




