出版社内容情報
少年・伊織を弟子に迎えた武蔵。剣に替えて鍬を持ち、不毛の地との闘いを始める。彼が得た悟りとは――向上心みなぎる第六巻。
荒野でめぐりあった少年・伊織。今朝、父親を亡くし一人になった彼を弟子に迎えた武蔵は、伊織の住まいであった藁屋を焼き、新たな小屋を建てる。さらに、剣を置いて鍬を持ち、痩せ土との闘いをはじめるが……。そこに秘められた武蔵の狙いとは? 自然を相手に、征服ではなく理解こそが必要だと識(し)った時、人の道も同じだと彼は悟った――。
内容説明
荒野でめぐりあった少年・伊織。今朝、父親を亡くし一人になった彼を弟子に迎えた武蔵は、伊織の住まいであった藁屋を焼き、新たな小屋を建てる。さらに、剣を置いて鍬を持ち、痩せ土との闘いをはじめるが…。そこに秘められた武蔵の狙いとは?自然を相手に、征服ではなく理解こそが必要だと識った時、人の道も同じだと彼は悟った―。修行は剣の技のみにあらず。向上心、確乎不動の第六巻。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892‐1962。神奈川県生まれ。船具工、記者などさまざまな職業を経て作家活動に入る。国民文学作家と親しまれ、1960(昭和35)年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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オーウェン
46
斬りあいについて思いを馳せる武蔵の元へ、少年の伊織が弟子入りを志願する。 その中で2人は生活をはじめ、生きていくことを実感する。 そして佐々木小次郎をはじめ、又八やお通にお婆などの経緯が。 次第に成長していく伊織とともに、武蔵と小次郎の決闘が近づいていくのを予感させる。 残りは2巻。2023/08/01
金吾
30
○武蔵の求道、小次郎の打算、又八の堕落が対比されていく巻です。武蔵と伊織の交流は微笑ましいですが、城太郎に対してあんまりかなとも感じました。2022/12/29
たかしくん。
27
この巻の舞台は、ほぼほぼが江戸。行徳、馬喰町(博労町?)、麻布、道玄坂等が、まだまだ街に至っていない頃です。武蔵は新たに伊織なる弟子をとるが、あまり目立った動きは無い。寧ろ、小次郎の存在感が更に頭を持ち上げ、いよいよダブル主役になってきました。お通は江戸をはなれたが、城太郎はどうしたんじゃろか? で、ダメ男の代表、又八は西瓜売りに身を落とし、何故か何故か一度は彼の元を離れた朱美と同居。次が気になる終わり方です。2019/05/03
しんすけ
19
武蔵は江戸に落ち着くことなく下総行徳を遍歴していた。 それは行者の修行をも髣髴させるが、武蔵自身の留飲が落ちる場を求めているかのように読者は勝手な想像を描いてしまう、 伊達藩の石母田外記を己の理解者として陸奥への旅の途中だったのだ。だが武蔵よりも生活力感じさせるド民の子に出会い武蔵の気持ちに変化が起こる。 それは後に宮本伊織と名乗り武蔵の養子になる三太郎だった。 三太郎はかって武蔵と同行していた城太郎と同じく、武士になることを望んでいるが冷静な判断力を持った童子だった。 2021/04/30
ほーりー
17
最も自分を成長させる為の秘訣は、人に教えること。宮本武蔵は意図的に弟子を作り、弟子を自らの鏡として、自分の成長を楽しんでいったのだと思う。情けは人の為ならず。不完全な自分だから、といういいわけは止めて、僕も誰かに何かを伝え教える事にチャレンジしよう。2021/02/21
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