出版社内容情報
関ヶ原の落人となり、故郷でも身を追われ、憎しみに荒ぶる野獣、武蔵。彼はいかに求道し剣豪となり得たのか。若さ滾る、第一幕!
屍ひしめく関ヶ原で命からがら落ち延びた武蔵(たけぞう)と又八。お甲・朱実母娘の世話になり一年後、武蔵はひとり故郷に戻るが、その身を追われ……。憎しみに任せ、次から次へと敵を打ち殺す野獣武蔵に対峙する、沢庵。殺めるためではなく護るための剣とは? 一介の武弁が二天一流の開祖宮本武蔵(むさし)に至るまで志を磨く道、ここに始まる! 日本人なら一度は読みたい、超骨太なエンタテイメント。
内容説明
屍ひしめく関ケ原で命からがら落ち延びた武蔵と又八。お甲・朱実母娘の世話になり一年後、武蔵はひとり故郷に戻るが、その身を追われ…。憎しみに任せ、次から次へと敵を打ち殺す野獣武蔵に対峙する、沢庵。殺めるためではなく護るための剣とは?一介の武弁が二天一流の開祖宮本武蔵に至るまで志を磨く道、ここに始まる。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892‐1962。神奈川県生まれ。船具工、記者などさまざまな職業を経て作家活動に入る。国民文学作家と親しまれ、1960(昭和35)年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
291
Kindleで一気に読了。かなりのボリュームだが文章が読みやすく、キャラクターが魅力的なので楽しい。主人公の武蔵のみならず、ダメ人間の又八や武蔵を恋い慕うお通、敵としてかなりしつこく付けねらうお杉婆など、単純に武蔵一人の成長物語ではなく、周辺の人々も細やかに描く群像劇としての側面もある。ただ、作品内における時間の流れがかなり速く、いつのまにか数年たって城太郎などがいつのまにか成長していたりするのはちょっとびっくりしたりした。また、殺陣のシーンも割りとアッサリ。2017/07/05
オーウェン
45
久々に読んだバガボンドが面白かったので、これを機に原作を読む。 話の筋は似通っているが、登場しない人物なども出ており、漫画の方がいかにスッキリ脚色しているか分かる。 特に違うのは武蔵の姉がおり、連れ去られた事実。 そして武蔵は匿ってもらい3年の時を得ていること。 そのことによって武者修行を志し、吉岡一門の元へと向かう。 城太郎やお通との出会いから、おばばの性格付けがそのまんまなところ。 辻風黄平は名前だけであり、後に登場するのだろう。 はじまりの章だが、次は吉岡一門と勝負の巻だろう。2023/06/26
金吾
41
○宮本武蔵のイメージに多大な影響を与えている作品です。ずいぶん昔の本ですが古さを感じることなく読めます。まだ始まったばかりですが、吉岡や宝蔵院という有名どころも登場しており続きが楽しみです。2022/12/24
ウィック&ぺディ
35
★★★★半 宮本武蔵は多数の作家によって描かれているが、一般的な武蔵のイメージを決定づけたのがこの吉川英治版によるもので、井上雄彦作『バガボンド』の原作としても知られている。文庫版だけでも多数出版されていて、だいたい6〜8巻完結、この新潮版は8巻で字もまるで児童書のように大きくスラスラ読めるのが特徴。1巻のストーリーは17歳の武蔵(たけぞう)が、関ヶ原の戦いで敗れ、逃げ隠れるように故郷に帰り、騒動を起こす。沢庵和尚に捕らえられ、罰による3年間の幽閉によって人間的に成長し、宮本武蔵と名を変え、鍛錬の旅に出る2021/11/01
たかしくん。
29
いつかは読んでみようと思いながら、1巻だけが、ずっと積ん読のまま(笑)。漸く読み始めました。予備知識は殆どありませんでしたが、これはサクサク読めて面白い!初巻は、関ヶ原の落ち武者からならず者となった武蔵(たけぞう) が、沢庵さんはじめとする人格者らの矯正が功を奏し、宮本武蔵(むさし)として生まれ変わる導入編。2019/03/19