出版社内容情報
楚漢の天下争いは勝負がつかない。圧倒的な項羽軍の前に、穀倉のある山にのぼってこれと対峙する劉邦軍。やがて和議成って故郷に帰る項羽軍を劉邦は追撃し垓下に囲む。ある夜、包囲軍の中から楚の国の歌が湧き上がるのを聞いた項羽は、楚人はことごとく漢に降伏したかと嘆き、天が我を滅ぼしたことを知る。あらゆる人物の典型を描出しながら、絢爛たる史記の世界を甦らせた歴史大作。
内容説明
楚漢の天下争いは勝負がつかない。圧倒的な項羽軍の前に、穀倉のある山にのぼってこれと対峙する劉邦軍。やがて和議成って故郷に帰る項羽軍を劉邦は追撃し垓下に囲む。ある夜、包囲軍の中から楚の国の歌が湧き上がるのを聞いた項羽は、楚人はことごとく漢に降伏したかと嘆き、天が我を滅ぼしたことを知る。あらゆる人物の典型を描出しながら、絢爛たる史記の世界を甦らせた歴史大作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
399
戦場で韓信が才を発揮し始め、一気に主役級の存在感に。しかし、どこか奥歯に物の挟まった描写と感じるのは、劉邦亡き後の運命を知っているがため、スターとして立てきれずに著者の筆が抑えられてしまったのか、はたまた単なる私の色眼鏡か。背水の陣より後は、どこか変容を感じさせる微妙な描写が続き、終盤はほぼ出番がない。項羽の最後はなかなかに感動的ではあるが、張良のとった策はそこまで意表をついたものではない。項羽がまだ三十一歳であったことに驚きを覚えるとともに、年齢を重ねた姿を見てみたかった。劉邦没後の話ももっと知りたい。2021/07/08
ヴェネツィア
342
広武山での項羽と劉邦との休戦が、その後の全てを決することになった。百戦百敗の劉邦であるが故に、協定を破って項羽を追うことができたのである。あるいは、そもそもそれ以前の糧食の有無が彼ら2人の運命を決していたのであったか。ここからは、次第に項羽の旗色が悪くなり始める。そして、とうとう垓下城から落ちた時に項羽の命数は尽きることになった。会稽の挙兵からは、僅かに7年しか経っていなかった。この間に項羽が見たのは、天下の光芒であったか、あるいは幻の世の中であったのか。司馬遼太郎の筆法がそうであるのか、あるいはそれを⇒2025/10/09
mariya926
150
とうとう読み終わりました!!かなり前から読もうと思っていたので達成感があります。上巻でかなり時間が掛かったので心配でしたが、下巻は面白く早いペースで読めました。特に劉邦は笑った顔に愛嬌があり、人に任せる能力があるので負けるのに人が集まってくる人物であり、項羽は魅力的な力を持っているが親族ばかりを贔屓しているので、周りから優秀な人材が離れていく、結局は周りに誰がいるか?が勝負の分かれ目になりました。これはビジネスのリーダー像で見てもモデル的な二人だなと思いました。いつか···再読したいです。2023/02/26
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
120
下巻読了。楚漢戦争完結!本当に説明が多く、うんざりしそうになるときもあったが、巻が進むたびに説明はゆるやかになっていきます。最後まで読んで見ての結論は面白かった。こんな歴史があったのかと驚く。ドラマや映画以上の内容に感動する。武の項羽。人望の劉邦対決という感じ。百敗しても最後の最後に漢の大勝。張良の助言が神ってます。蕭何の補給能力が神ってます。韓信の軍才が神ってます。韓信が異質だ。こんな人柄の武将はあまりいない。軍略好きの子供という感じ。キャラが皆良かった。項羽も劉邦も好きだ。機会があれば再読したい。2016/11/26
やっちゃん
116
全編通じて劉邦にカッコいい見せ場がまったくない。有能な部下が自然と集まり、勝手に盛り立ててくれる。組織のトップとして項羽のワンマンよりも理想の形かもしれない。史記を残した司馬遷もすごいが、史記を元にここまで書ける司馬遼太郎にも感動した。2025/08/23