内容説明
すさまじい進撃を続けた織田信長は上洛を遂げ、将軍に足利義昭を擁立して、天下布武の理想を実行に移し始めた。しかし信長とその重臣明智光秀との間には越えられぬ深い溝が生じていた。外向する激情と内向し鬱結する繊細な感受性―共に斉藤道三の愛顧を受け、互いの資質を重んじつつも相容れぬ二つの強烈な個性を現代的な感覚で描き、「本能寺の変」の真因をそこに捉えた完結編。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
360
後半の信長篇の主人公はもちろん信長なのだが、実際の登場場面は光秀の方がはるかに多い。ここがこの小説における司馬遼太郎の最も工夫が凝らされたところで、光秀の視点から信長を見ることによって、信長を他者として認識させるのである。しかも、それでいて遠く突き放した客観的な存在にしてしまうのではなく、むしろ光秀の観察と感情とで新たな信長像の造形を試みたわけである。もっとも、その直前までは光秀の視点であったものが、本能寺の場面では信長自身の視点に転換する。それはもちろん、その場面に強い臨場感を与えるためである。まさに⇒2026/01/28
むーちゃん
224
信長はブラック企業の社長。私自身も上司に恵まれず、光秀の気持ちが良くわかりました笑 それはそれでかなりヤバイですが笑 人間だからやはり機械的な視点で見すぎるとこのような結果になるのかと。私も今後の人生気をつけよう。2017/07/13
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
174
この男に休息はなかった。尾張、美濃を平定し天下布武の闘争が始まる。将軍に謁見し近畿を攻め上げ、武力で天下に号令をかける信長の野望は、遂に周囲の諸侯を目覚めさせる。信長包囲網。幾度の死地を彷徨っただろうか。足掛け10年にも渡るこの間断なき闘争は、信長連合が勝利を飾る。天に愛されているとしか思えない。天に選ばれていたとしか思えない。強敵無くなり、天下が目前に迫ったこの男に与えられた運命は、部下の裏切り、という非業の最期であった。使命を果たしたかのように、桜の花がパッと散る様に、鮮やかに散りゆく。最終巻—完結。2018/11/17
やっちゃん
166
同じくキンカン頭のおじさんは光秀に親しみが湧く。だから最後はあまりにも辛い。ちょっとしたノイローゼじゃないか。。義昭がずいぶん暗躍しすぎている、もっと勝家、信盛あたりの話も読みたかった。でもこの時代は面白いなあ。2023/02/25
優希
149
最終巻にして信長編完結。信長編とはいえ、主人公は光秀でした。凄まじい進撃を続け、天下布武の理想を実行に移し始めた信長。その重臣である光秀ですが、能力の高さとプライドと不器用が故に、奔走するにもどんどん窮地に追い込まれていくのが苦しかったです。戦いに次ぐ戦いで、爽快さはあまりなく、淡々と史実を物語として昇華していったような印象を受けました。人間味がどんどんなくなる信長、追い詰められていく光秀。いつしかできた溝が本能寺の変に繋がったのだと思います。最期は儚く散った男たち。でもその生き様はドラマそのものでした。2016/08/19




