内容説明
もし私が天性好色で淫乱の気があれば、五十一歳で、ああはすっぱり出家は出来なかったでしょう。しかし文学少女の姉の傍らで私も読書家でした。性に目覚める環境が情緒的に豊かな十歳の頃には、世界の淫書に読みふけり神秘的なエロスの領域に踏み込んでいたわけです…。あれから幾星霜「生きた、愛した」自らの性体験、見聞を飾らず隠さずユーモラスに大胆に刺激的に語り合う。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
78
再読です。「生きた、愛した」という自らの体験談をユーモラスに語っているのに好感が持てます。しかもかつての自分である「晴美」と現在の自分である「寂聴」が語り合うというのが素敵だなと思いました。サバサバと語られた手紙からは下品さは感じず、むしろ生々しいことまで上品に感じられるのが不思議です。自分から自分へと年を行き来しながら自分の性と生を改めて見つめ直しているのですね。2018/06/26
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
47
以前、アメトークで光浦さんがおすすめしていた一冊。瀬戸内寂聴(出家後)と瀬戸内晴美(出家前)との往復書簡風エッセイ。ちょっと、寂聴さんなのか晴美さんなのかわかりにくかった。肥後ずいきに始まり、ブルーフィルムや貞操帯など性にまつわる思い出話。あの頭を剃り上げたニコニコ顔の寂聴さんが書いていると思うとおかしさが増す(笑)2016/05/16
Shoji
45
瀬戸内寂聴さんが、出家前のご本人である瀬戸内晴美さんと交わす往復書簡です。本のタイトル通りの内容ですが、いやらしさはありません。あっけらかんとしています。ユーモアです。瀬戸内寂聴さん、達観なさっておられます。私は楽しく読むことが出来ました。2019/09/24
ネギっ子gen
42
【愛した、書いた、祈った】白寿の、悔いのない一生、見事也。永眠された寂聴師を偲んで、この書を再読――。「寂聴より晴美さんへ】<私は老人同士の性愛を美しいと思えるようになりました。人生の幾山河を共に渡った老夫婦が、互いの肉体で相手をあたためようといたわりつつ抱き合って眠る姿は、私の想像の中では、洗いぬかれ、流され、さらされた角のとれた美しい石が河原で並び、陽を浴びているような美しさとすがすがしさを感じます。/人間は一人ひとりちがいます。どんな形の性愛があってもいいのではないかと私は思うのです>。合掌。……2021/11/12
蒼伊
31
瀬戸内さんの作品を初めて読みましたが、声をたてて笑いながら読んでしまいました。こうもあっけらかんと話されていて、なんと楽しい方だろうと思いました。企画自体も大変面白くて、続きがあればまた読んでみたいと思いました。2014/03/02
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