内容説明
級友が私だけを避け、仲間はずれにする。差別―その深い罪について人はどれだけ考えただろうか。故なき差別の鉄の輪に苦しみ、しかもなお愛を失わず、光をかかげて真摯に生きようとする人々がここにいる。大和盆地の小村、小森。日露戦争で父を失った誠太郎と孝二は、貧しい暮しながら温かな祖母と母の手に守られて小学校に通い始める。だがそこに思いもかけぬ日々が待っていた。
著者等紹介
住井すゑ[スミイスエ]
1902‐1997。奈良生れ。女学校中退後、投稿を始める。17歳で講談社の婦人記者に応募、採用されるが、一年で退社。19歳で農民作家犬田卯と結婚、農民・婦人運動に関わる。’35年、夫の郷里茨城県牛久沼畔に移り、四人の子と病身の夫を抱え、執筆と農耕で生計をたてる。’59年、夫の納骨の日に部落解放同盟を訪ね、大河小説『橋のない川』に着手、’73年までに第一部から第六部を刊行。一旦筆を置いたものの、’92年、90歳で第七部を完成
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