出版社内容情報
有吉さん、あなた小説を書いていなさるんですってねぇ――冬の夜に訪れた鮨屋の職人が語りはじめた、或る天才歌舞伎役者の人生「役者廃業」。金満老人が急死し、残された本妻・妾・小姑の駆け引きと、老いへの恐怖を映し出す「三婆」。攘夷女郎に祭りあげられた華魁・亀遊を描き、戯曲化もした「亀遊の死」。原爆のえぐる傷を克明に刻む「なま酔い」。若き日の著者の才能が輝きを放つ短篇集。『三婆』改題。
【目次】
内容説明
有吉さん、あなた小説を書いていなさるんですってねぇ―冬の夜に訪れた鮨屋の職人が語りはじめた、或る天才歌舞伎役者の人生「役者廃業」。金満老人が急死し、残された本妻・妾・小姑の駆け引きと、老いへの恐怖を映し出す「三婆」。攘夷女郎に祭りあげられた華魁・亀遊を描き、戯曲化もした「亀遊の死」。原爆のえぐる傷を克明に刻む「なま酔い」。若き日の著者の才能が輝きを放つ短篇集。『三婆』改題。
著者等紹介
有吉佐和子[アリヨシサワコ]
1931‐1984。和歌山生れ。東京女子大短大卒。1956(昭和31)年「地唄」が芥川賞候補となり文壇に登場。代表作に、一外科医のために献身する嫁姑の葛藤を描く『華岡青洲の妻』(女流文学賞)など。理知的な視点と旺盛な好奇心で多彩な小説世界を開花させた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
30
昭和33年から昭和37年に書かれた有吉佐和子さんの短編が7篇収録されています。いずれも優劣がつけられない良作でした。私は有吉佐和子さんの描く人間模様が大好きなのです。「心のひだ」の描写は天下一品だど思う。有吉佐和子さんを思う存分に味わうことが出来ました。2026/06/12
カノープス
3
各社から続々と新装版で出されている有吉佐和子。それを次から次へと買い求め夢中になって読んでいる。はっきり言って下手な現役の書き手のものなど不要と思わせるほどの面白さである。短編においても才気は爆発していて、多角的な視点(語り手・対話・時間跳躍)を用いながらテーマを凝縮し読後に余韻を残す技法、笑いの中に恐怖や哀しみを忍ばせ、読者を引き込むストーリーテリングが秀逸。そして、いつも読んで感じるのが戦争の影。戦争が個人の人生や社会に与えた影響を、歴史的背景や人間関係の中に織り交ぜて描く手法が本当に巧みだ。2026/07/26
Akiko Nakano
1
本当に、これを書く有吉佐和子氏ってどんな性格なんだろう。って思いながら、有吉中毒になっていく・・。憎らしいほど上手いって事かな・・。2026/08/11
Ryoko
1
有吉佐和子の初期作品短編集。面白かった。昭和初期、戦後の時代背景で元役者の寿司職人、資産家の未亡人、屈折した美意識を持った女性、などの登場人物の心理描写が巧み。映像化もされている「三婆」は相容れない亡くなった男の妻と妾、男の妹(妻からは小姑)がトラブル続きなのに最後は同居するというドタバタ劇。コメディ色もあったのにラストはホラーの様な終わり方でゾクッとした。有吉作品、やっぱり好きだ。2026/08/08
ちえぞう
0
安定の有吉先生。女性同士のドロドロを描くと右に出る者はいないね。雌の感じが表す通り、女は比べる生き物だそうでだ。どの短編もよかったが、特に好きだったのは、こじらせ女子の話、王台かな。解説では男の甲斐性で生きていく女性たちとあったけれど、そこそこ皆さん手練手管尽くして頑張ってると思う。いまだに地域、男女格差が当たり前のなか、やっぱりいまだサビつかないストーリーに絶望しつつも人間の性はそうそう変わらないのだなと感じました。2026/08/08




