新潮文庫<br> 美しいアナベル・リイ

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新潮文庫
美しいアナベル・リイ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 271p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101126227
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

かつてチャイルド・ポルノ疑惑を招いて消えた映画企画があった。それから30年、小説家の私は、その仲間と美しき国際派女優に再会。そして、ポオの詩篇に息づく永遠の少女アナベル・リイへの憧れを、再度の映画制作に託そうと決意するのだが。破天荒な目論見へ突き進む「おかしな老人」たちを描く、不敵なる大江版「ロリータ」。

著者等紹介

大江健三郎[オオエケンザブロウ]
1935(昭和10)年、愛媛県生れ。東京大学仏文科卒業。在学中に「奇妙な仕事」で注目され、’58年「飼育」で芥川賞を受賞。以後、常に現代文学の最先端に位置して作品を発表する。’94(平成6)年、ノーベル文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のりまき

19
長いこと、積ん読してたのをやっと読む。改題前のほうが好きだったな。ドタバタ劇として読むほうが楽。サクラさんに肩入れするよりは。サクラさんは強い女性だけど、その境遇を考えると苦しくなってしまう。2024/02/04

ヴェネツィア

19
一見したところは私小説風に書かれている。しかし、物語の核をなすヒロインのサクラさんは、その存在自体がどうやらフィクションのようなのだ。しかも、大江にとってはきわめて重要な「メイスケさん」や長男の光までをもメタフィクションに巻き込んでいく。大江文学の新しい表現の方法がここにあると見るべきなのだろうか。今すぐには、どう評価していいのか悩むところ。2012/04/27

kaze

12
メイスケ母に「良かったか」と聞いたのは大江健三郎自身ではなかったか。彼の残酷性ではないのか。サクラさんの快復の物語とみる向きもあるようだが、私には三者三様の老醜にしかみえなかった。2022/10/15

モリータ

12
古い方から読むという原則はどっかに行きましたが、さっと読めました。2015/12/18

ゆとにー

10
エッチな本かと思っていたら、障害を持った子供が生まれて以降の、虚実をないまぜに書くことで作者に隣接する虚焦点を立ち上がらせるフィクショナルな私小説のスタイルに、時間・空間・形式の異なるテクストを、構図を重ねつつ次々と引用して複雑に織り込んでいく、圧巻の総合力に目を見開かされる本だった。その筆力には脱帽したが、『個人的な体験』から引っかかっている「恢復」は今作でも成り立っているのか疑問に残った。2023/04/12

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