出版社内容情報
山形へ行くと出発した光子が、なぜ北陸の温泉地で死んだのか――。銀行員の黒井は妹を見殺しにした不倫相手・笠岡に復讐するため仕事を辞め、縁のない土地に潜み、絶対に自分の犯行とわからぬように殺害を遂げようとする。7年間の執念の行方を描く表題作のほか、学究の世界で繰り広げられる陰湿な権力争いを扱った「カルネアデスの舟板」「真贋の森」など、清張初期の傑作ミステリ8編を収録。
内容説明
山形へ行くと出発した光子が、なぜ北陸の温泉地で死んだのか―。銀行員の黒井は妹を見殺しにした不倫相手・笠岡に復讐するため仕事を辞め、縁のない土地に潜み、絶対に自分の犯行とわからぬように殺害を遂げようとする。7年間の執念の行方を描く表題作のほか、学究の世界で繰り広げられる陰湿な権力争いを扱った「カルネアデスの舟板」「真贋の森」など、清張初期の傑作ミステリ8編を収録。
著者等紹介
松本清張[マツモトセイチョウ]
1909‐1992。福岡県小倉市(現・北九州市小倉北区)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷札』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。’58年の『点と線』は推理小説界に“社会派”の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亘った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じいじ
70
松本清張の初期の8短篇だが、どれも面白い。清張は読メ加入以前は長編大作を中心に読んできたが、ここへ来て短篇にハマっている。私の体力の低下にもあるが、清張短篇の魅力を発見してしまったからである。さて、どれを紹介したらと迷ったが【鬼畜】を選んだ。これまで読了した清張小説では、いたって読み心地はよくないのだが、どんどん引き込む迫力が凄い。この小説、とにかく主人公の夫婦・愛人の三人が、そろいもそろって「鬼畜」そのものだからだ。それなのに、、、。2025/06/23
涼
49
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2025/06/post-baf498.html 最初の出版時ではありませんが、次の出版時にはほぼ読んでいました。 幸い(?)忘れていることが多いので、楽しめました。いえ、覚えている作品でも、やはり清張はスゴいなと思います。2025/06/08
雲國斎
16
読んだ記憶がない清張の文庫があったので読んでみた。全8短編。「鬼畜」や「天城越え」は映画も何度も見たっけ。やっぱり清張はおもしろい🤣2025/07/02
yama1000
6
ここに収録されている作品は、既に何回も読んでいる。こうして新たに編集されて出版されると、読まずにはいられない。清張の初期の短編は、傑作が揃っている。2025/06/25