内容説明
「戦後」は、貧困に苦しみつつ、つねに明日を信じて努力した時代であった。一瞬の光芒を放ちながら、やがて輝きを失い、虚ろな社会へと変容していく時代であった―。日本の青春だった「戦後」社会を、等身大の主人公が織りなす小説と時代を映したベストセラー(『山びこ学校』から田中角栄『私の履歴書』まで)の評論で交互に照らし出す。「戦後」の原風景を見事に抉り出した画期的な日本論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみや
38
1993年発行の単行本初版にて再読。毎日新聞2/1「なつかしい一冊」で紹介されていたので手に取った。最初の「クリスマスイブの客」だけのつもりでいたのだが、筆者の私小説的な文章のうまさとベストセラーを通じての戦後という時代の分析の的確さに惹かれて結局最後まで読んでしまった。関川さんとほぼ同世代の少青年期を過ごした私自身の体験と感慨を振り返りつつ。2025/02/13
出世八五郎
7
昭和とはどんな時代だったか・・・知りたかったら読んだらいいと思います。私が存在していない時代がほとんどですが、非常に懐かしくある。
takao
5
ふむ2024/03/17
ぎー
2
この手の本が好きだ。 これによりやまびこ学校を書いた『遠いやまびこ』(佐野真一)を読んだ。小田実の『なんでも見てやろう』も読んでみる。関川夏央はうまい。2017/12/02