内容説明
大嵐で船が難破し、僕らは無人島に流れついた!明治31年、帆船・龍睡丸は太平洋上で座礁し、脱出した16人を乗せたボートは、珊瑚礁のちっちゃな島に漂着した。飲み水や火の確保、見張り櫓や海亀牧場作り、海鳥やあざらしとの交流など、助け合い、日々工夫する日本男児たちは、再び祖国の土を踏むことができるのだろうか?名作『十五少年漂流記』に勝る、感動の冒険実話。
目次
中川船長の話
龍睡丸出動の目的
探検船の準備
大西風
世界の海員のお手本
故国日本へ
海がめの島、海鳥の島
パール・エンド・ハーミーズ礁
暗礁をめがけて
待ち遠しい夜明け〔ほか〕
著者等紹介
須川邦彦[スガワクニヒコ]
1880(明治13)年、東京生れ。1905年、商船学校航海科卒後、大阪商船に勤務。また、日露戦争に従軍し、水雷敷設隊として奮戦。第一次大戦では敵艦の出没する洋上に敢然、船長として乗り出し、日本海員魂を発揮した。その後、商船学校教授を経て、東京商船学校校長、海洋文化協会常務理事を歴任。’49(昭和24)年死去
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犬のいる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
288
「漂流(吉村昭)」に比べるとどうしてもインパクトに欠けますが、本書は“(たとえ無人島でなくとも)人生どう生きるか“を教えてくれる本だと思いました。また、「漂流(吉村昭)」の長平(主人公)がなぜ生き残ることができたのかを改めて確認することができました。2017/12/09
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
218
ジュール・ベルヌの物語を超える『16おじさん漂流記』。“事実は小説より奇なり”とは必ずしも思わないけど、フィクションの『十五少年漂流記』より面白かった。明治の男達の実体験を描いた冒険譚。明治31年12月、東京を出航した『龍睡丸』は太平洋上で座礁し、16人の船員は一本の木も生えていない無人島に漂着した。経験豊富な海の男達は、船長のリーダーシップのもと逞しくポジティブに島での生活を送っていく。日本に帰る事を信じて日々学んでいく姿勢が強さを支えたのだと思った。木片となって火をプレゼントした船も彼らの命を救った。2015/08/23
Nobu A
166
成毛眞推薦本其の拾玖。03年初版、08年第17版。明治13年に帆船、龍睡丸が大嵐で難破し船員16人が無人島に流れ着いた実話。それだけで興味津々。とても面白く感じるんだが、何でだろう。期待外れだった。いや、最近集中力がないのかも知れない。一つは読点がやけに多い。それが読解力に影響するものなのかとある意味、勉強になった。それから、小説は何を描写し何を省略するかが肝要。表紙に「名作『十五少年漂流記』に勝る」とある。まずはそれを読んでみよう。残念ながら後半流し読み読了。2023/03/21
HoneyBear
144
凄い。元気づけられる。リーダーシップ、生きる姿勢。
kinkin
136
事実は小説より奇なりとは、まさにこの本に書かれていることではないか。 極限時の人間の生命力と知恵、工夫の驚かされた。もし船旅をする機会があれば鞄に入れておくことをお薦めします。2010/10/20
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- 和書
- 黄金のミイラが眠る谷