感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
27
☆☆☆☆ 人間を描いているのか魚を描いているのか混沌としてくるような夢幻的な作品「魚と公園」。山手線電車を巡るスケッチ「桃色の電車」。孤児院・養老院・精神病院を兼ねた小原慈善院について、慈善院側の人物たちを明らかに偽善者として風刺的に描く「聖院長」。最も好きだったのは、頑ななゆえ三十二まで縁遠かった女教師が結婚詐欺に会うも、憐憫とも愛情とも見分けのつかぬような心情になり添い遂げる「近江子」。他は既読の「香炉を盗む」「あにいもうと」「幼年時代」。ところどころで感覚的で官能的な文章に出会えるのが犀星の魅力。2016/02/27
あっきー
7
✴1 角川文庫版で表題はあにいもうと、以外には性に眼覚める頃だ、古くさい文章であまり良いと思えるところもなく、積読期間が長く期待していたこともあり、何となくモヤモヤと複雑な気分になって終了2017/02/06
お気楽になりたいお気楽さん
2
犀星の大正8年から昭和11年までの中短編作品集。「幼年時代」「魚と公園」が良かったかな。浅草公園を背景とした「魚と公園」はちょっとウェットな内容で、詩を読んでいるような感覚になることがあった。また、昔はこんなこともあったのかと、初めて知るような話も結構あった。☆☆☆2022/05/05
nightU。U*)。o○O
2
著者最初期のもの、特に「幼年時代」は(それが仮構と虚飾だらけだったとしても)図らずも犀星の初期~中期の抒情詩にぴったり重なる観念、モチーフを見せており興味深い。さらに、この一篇が恐らく全作品のうちでもっとも文法的に正確な、行儀のいい文章であるというのもまた。しかし「香爐を盗む」や「あにいもうと」のほうが面白いのは歴然としており、この間隙を埋めるような作品群がもっと発掘されることを願う。2015/12/17
YY
2
詩みたいな小説が多い。電車のやつの冒頭が情緒あってよかった。あと、近江子はなんとなく哀れな感じの女性がらしくて面白く読めた。2015/05/27
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- 和書
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