感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほっしー
14
明治初期に両親とともに北海道に渡ってきた鶴代を中心に精神的にも肉体的にも厳しい環境を生き抜いている人々を描いた大河ドラマ。上巻では鶴代の少女時代から中年期までが描かれている。とにかく序盤からクライマックスの連続で途中から大きな事件が起こってもあまり驚かなくなるくらいだった。目まぐるしく変化する立場、良くも悪くも人と繋がらなければ生きていけない環境、あらゆる要素を十字架のように背負い込まなければいけない現実。胸に突き刺さる。上巻だけで800ページ弱のボリューム。下巻の展開がまったく読めない。2019/03/21
湖都
14
明治期の札幌を舞台とした大河小説。主人公・鶴代は両親と3人で渡ってきた移民で、冒頭部では素直で働き者できかん気の強い13歳。両親と別れて奉公に出て、恋をして…。鶴代のまっすぐで人の良い生き方は派手ではないが眩しくて、自分を失わずに生きた鶴代と環境によって転落していく周りの人々の対比が鮮烈。視点の切り替えはかなり巧みだと思う。札幌市民としては郷土史として興味深く、百数十年前の我が街の姿が愛おしく読めた。それにしても、蝗や水害や火事…今の札幌があるのは先人達のおかげです。2018/11/01
エル
2
感想は下巻で2013/12/13
Bond
1
時間は掛かったが大変面白かった。何度も目頭が熱くなった。よく考えられた内容で、「ほう、そうなるのか」とか「なるほど!」と唸らされる箇所が幾度もあった。本好きにはたまらないだろう。中古本店でも手に入れるのは少し難しくなっているが、図書館などを利用して是非読んでほしい。下巻は少し間を置いてから読もうかな。2017/06/19
なおぱんだ
0
明治初期の小樽や札幌を中心に物語が始まり、雄大な北海道の自然を背景にして、開拓民の苦難の歴史を一人の女性を中心に描いています。上巻は明治篇で、小樽・札幌大火、石狩川の氾濫、イナゴの大襲来などの災害や、北海道の開拓史上の汚点といえる開拓使官有物払下げ事件などの北海道の開拓の歴史を絡めながら、強くたくましく生きる主人公の女性とその家族の人生に、現代の日本人が忘れている正しい道を愚直なまでに貫き通しながらも素直に生きる人間の美しさがあふれている素晴らしい作品です。2011/07/04
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