出版社内容情報
他人に信じてもらえない不思議な事件はいつもどこかで起きている――日常を超えた非現実的現実世界を描いたショートショート21編。
内容説明
平凡なサラリーマンが、ねごとで妻にもらした見知らぬ男への殺意。ねごとでの殺人計画はしだいに具体化していく。はたして、夢の中の出来事なのか、それとも本当は…。他人には信じてもらえない、不思議な事件はいつもどこかで起きている。日常的な時間や空間を超えて展開する非現実的現実世界をウイットあふれる語り口で描く、夢とサスペンスにみちたショートショート21編。
著者等紹介
星新一[ホシシンイチ]
1926‐1997。東京生れ。東京大学農学部卒。1957(昭和32)年、日本最初のSF同人誌「宇宙塵」の創刊に参画し、ショートショートという分野を開拓した。1001編を超す作品を生み出したSF作家の第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
75
表題作、「経路」がよかった。夢というテーマでよくもこれだけ色々書けるものだ。「入会」も作者特有のブラックさが効いている。2008/09/11
KAZOO
56
結構内容的には暗かったりする話が星さんの手にかかると、本当に軽い感じで読めてしまいます。話の筋だけ取り出してみると本当はかなり怖い話だったりします。それが星さんの話術にかかると、ちょうど長さもよくてくどくなく、ということで楽しめました。2015/01/05
しゅわ
53
勝手に星さん再読祭り第44弾は、謎の秘密結社や平均的すぎる男、突然消えた大金、妙に真に迫った寝言や自分にだけ見えない絶世の美女…ひとに話しても信じてもらえない、非現実的な出来事と現実世界の交錯を描いたショートショート21編です。今回もちょっとコワイ…なんともいえない余韻を残すおはなしが多いのが特徴かな。そのあとどうなった!?と妄想をひろげながら読んでいたら、ラストの『林の人かげ』のオチにやられました2015/10/09
優希
52
面白かったです。他人に信じてもらえないような事件を非現実に描いているのですね。短い話ながらも夢とサスペンスに満ちているような気がします。2021/12/03
ちはや@灯れ松明の火
43
事件は三面記事の中だけじゃなく思わぬ場所で起きている。サプライズ好き上司のお宅訪問、富裕老人たちの秘密同盟、隠れ蓑が暴かれたら笑い事じゃない。深夜に徘徊する隣人の指、何度殺しても甦るパワハラ上役、正真正銘の本人かなんて誰が知る。毎年発生する呪いの使途不明金、エリート社員は産業スパイ、違った意味でのブラック企業。妖精の恋の魔法の副作用、現世の富か天国行きかの二者択一、天使が幸福の使者とは限らない。あなたがどこかへ消えたって誰も気にせず世界は回る。事件は会議室で起きてるんじゃない、あなたの隣で起きてるんだ。 2018/05/19