内容説明
美也子は33歳の普通のOL。この8年間いつも週末に流行作家の日比大作と密会してきた。最近、彼との愛人関係に充たされない何かがある…。ある日突然、彼の娘が2人の前に現れ、美也子は傷つきやすい魅力的なこの娘に、そして別居中の彼の自由奔放な妻にある嫉妬を感じた。そんな折、山で死んだ兄の友人に、美也子は心の安らぎと新しい愛の歓びを見つけはじめた。長編恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
_apojun_
6
私にとって大人の女性の恋愛がテーマとなっている本の場合、どれだけ共感できる、好意をもてる登場人物が出てくるかがその本に没入できるポイントみたい。 その観点で言うと、この本はちょっとという感じ。 登場人物それぞれにキャラクタがしっかりしているんだけど、どの人をとっても友達にはなれそうにないな、という印象。小説という世界の中だからことなんだろうけど、他者に対する許容範囲が狭いのかな。2024/10/18
夏しい子
1
親と子、男と女、夫婦 色んな人間関係を考えさせられる話です。 そして、男のズルさとそれに、なぁなぁになってしまう 女の弱さ。 人の心の奥底の可哀相な部分を知ってしまうと 切ないものなんだね。寂しい人間は 見ている方も辛くなってしまう。 そういう奥深い人間関係も描かれている恋愛小説です。2022/04/25
ソゼ
0
数年に渡る恋愛や、その延長での婚姻関係の中で登場人物がそれぞれに興味深い気付きや解釈を述べ面白いのだから、へんに不自然な設定や偶然を重ねない方が、この物語は素直に楽しめるのに、少し残念。2016/01/29
ツキコ
0
最後は綺麗にまとまり過ぎてる感じはありましたが、年齢や経験を重ねた女性たちの心理描写など、同じ女性として共感できる部分が多々ありました。森瑶子さんの作品は初読でしたが、また別の作品を読んでみたいと思います。新作が出ないのが残念。2015/10/13
冬薔薇
0
「熱情」も読んだような。2008/09/19