感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
絹恵
22
目を瞑ると、選ばれた言葉の居心地が良い行間を飛び越えて宇宙に行くことが出来る、銀河を渡ることが出来る、そして自然に帰ることが出来ます。でも世知辛い世の中にも目を背けずに踏み締めて生きて行くことを背中に優しく伝えてくれます。脳に力強く電流を流します。頬にあわく風を感じます。心身が明日に動き出します。(編集/草野心平さん)2014/02/21
あきあかね
15
生前に宮沢賢治の詩を評価した数少ない人物の一人であった草野心平。同じ東北生まれの草野が編んだこの詩集は、東北の大地とそこに生きる人びとを描いた作品が多い印象を受ける。 厳しい自然の中、「わづかに粗渋な食と年中六時間の睡りをとりながら」黙々と土地を耕す農村の民の暮らし。「まだかがやかな苹果のわらひをもってゐた」少年もいつしかやつれてしまう。そうした人びとに向けた賢治の眼差しはどこまでも優しい。「政治家」という詩で、「けれどもまもなく さういふやつらは ひとりで腐って ひとりで雨に流される」と、⇒2024/11/25
uchi
4
草野心平さんの編集で、解説文が熱い。小説・童話作品よりも岩手の風景がよく見える。ここからグスコープドリや各作品に繋がるのがわかった2023/11/24
Enzo Suzuki
3
小説より奇なり。2016/04/24
井坂 茜
2
日本語のみずみずしさを感じられる。詩ではなく「心象スケッチ」だと賢治が言う作品たちは哲学的で、賢治の童話にも織り込まれているような死生観、仏教のことば、東北の空気、宇宙・銀河にまで及ぶ思考が、言葉の端々に煌めきとともにある。「雨ニモマケズ」は、子供の頃に読んだときは最後に「サウイフモノニ/ワタシハナリタイ」とあるから、まだこれからの人生に希望や夢がある頃の賢治の詩だと思っていたけれど、これは晩年の病床での作品らしい。もう自分の命が長くないとわかっていながらの「サウイフモノニ/ワタシハナリタイ」ならば重みが2015/12/21