出版社内容情報
「彼は、ただの目障りなハエだ」。SNSの投稿がバズったのをきっかけに絡んできた粘着質なアカウント。誰彼構わず罵詈雑言を吐いてはブロックされている彼を、大学生の芽衣子はスマホの中で「飼う」と決めるが……。ネット社会に満ちる匿名の悪意を描く衝撃の表題作ほか、家族や友達、ご近所さんなどさまざまな人間関係のなかで、目を背けたくなる感情と対峙する女性たちをとらえた短篇集。
【目次】
内容説明
「彼は、ただの目障りなハエだ」。SNSの投稿がバズったのをきっかけに絡んできた粘着質なアカウント。誰彼構わず罵詈雑言を吐いてはブロックされている彼を、大学生の芽衣子はスマホの中で「飼う」と決めるが…。ネット社会に満ちる匿名の悪意を描く衝撃の表題作ほか、家族や友達、ご近所さんなどさまざまな人間関係のなかで、目を背けたくなる感情と対峙する女性たちをとらえた短編集。
著者等紹介
武田綾乃[タケダアヤノ]
1992(平成4)年、京都府生れ。2013年、日本ラブストーリー大賞最終候補作に選ばれた『今日、きみと息をする。』で作家デビュー。同年刊行した『響け!ユーフォニアム』はテレビアニメ化され人気を博し、続編多数。2021(令和3)年、『愛されなくても別に』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mayu
27
だって相手が可哀想だから…作中に何度も出てくる可哀想という言葉。読み終えた後に苦い余韻を残す4編の短編集。可哀想だと思わせる様な要素は確かにある。けれどここに出てくる人達には相手の事を可哀想だからと思いながらも、自分の事しか考えていない傲慢さが感じられてザラリとした感情を生む。でも自分が同じような可哀想を感じた事が無いかと言われたらあるからまた心がザワつくのだろうと思う。違った価値観を持つ姉妹の話「重ね着」が一番好きだった。"身勝手な同情と純粋な優しさは紙一重"という言葉が印象に残った一冊。2026/03/30
よっち
22
SNSや会社、家の中でどこからか湧いてくる目障りな存在、蓋をしたい感情。グロテスクで一筋縄ではいかない日常の裏で、誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける短編集。粘着質なアカウントをブロックした先にあった結末、子供の頃よく遊んでくれた近所に住む三十歳年上の猫好き女性との再会、実家に住むアラサー女子と結婚を間近に控えた妹が抱える複雑な思い、父の介護で青春を棒に振ったヤングケアラー女性。すれ違いが積み重なり上手く行かなかった結末でしたけど、どうすれば良かったのかとつい考えてしまう印象的な短編集でした。2026/03/29
ナオ
8
面白かった。表題作はSNS上で主人公に悪意のコメントをしてくる人に対して「蝿」と思い「飼う」とゆーのにちょっと衝撃を受ける。最後の展開はちょっとあざと過ぎでは?と思った。「まりこさん」は小さい頃、近所にこんな人がいたなーと、ちょっと胸が痛くなった。「重ね着」は姉妹の良い話だと。最終話の「呪縛」がなかなかキツく面白い。岡井がもう少し違うタイプの人間なら主人公は幸せになれたのになーと残念に思い、どうせなら詩乃と性的な関係になればよかったのにと無茶な感想を持ちました。心をざわつかせる一冊。2026/04/09
椎名
6
短編集。SNSで誰彼構わず罵詈雑言を浴びせているアカウントに粘着されるが、それをブロックすることなくインターネット越しに野放しにし観察し続ける行為を“飼う”と表現しているのが凄い。その行動や理屈の発想はあっても、それを飼うという言葉には自分にはできないと思わされた。書き下ろしである呪縛が特に印象的で、モラハラやDVを誘発させる女とそれに引っかかっていく人間たちの姿が細かく描写される。加害者/被害者にするのが得意な人間の相性の良さ……なんですよね。どちらが悪いと言い切れるものではない。2026/03/30
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