内容説明
利平の次女夏江は、傷病兵菊池透と再会し洗礼を受け、昭和15年5月に透と再婚、秋に長男の史郎も結婚した。世間は紀元二千六百年の祝賀に酔っていた。女中に手をつけた初江の夫は眼底出血の再発で入院し、利平の後妻いとは不義を重ねていた。昭和16年12月、日本は太平洋戦争に突入した。帝大仏文科を卒業した晋助は翌17年に入隊し、初江は恋文事件で白をきり晋助との愛を貫く…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
140
夏江は洗礼を受け、菊池透と 再婚。長男史郎も薫と結婚。 時代が太平洋戦争と 向かう中、時田家の人々の 人生も変わっていく。 帝大セツルメントとしての 活動が透の人生に影を落として いく様はまさに戦中の日本の 歴史であり、描写は重い。 それにしても、時田家の後妻 いとの不義、初江の晋助との 逢瀬などは昭和の小説らしく、 秘めやかである。2014/07/13
湖都
5
第4巻の一大事件は、真珠湾攻撃による太平洋戦争開戦だ。天皇を神と崇め、戦争を当然とし、日本を抑えつけようとする外国諸国をけしからんと怒るこの国は、昨今の某国を思わせる。そして、初江と愛し合う晋助や夏江の夫・透の反戦の心は、今でこそ当たり前だが、当時は早過ぎた思想なのだろうか。主要登場人物たちが皆暗い道を歩いているようで、呼んでいても鬱々とする巻であった。2017/12/12
uchi
2
ついに戦争が始まりました。意外にドロドロした感じが続きます。後半5巻へ。2020/10/04
kiiseegen
1
前巻に沿った流れで第二部が終わった・・・。太平洋戦争が始まり、かなりの困難が予想されるが登場人物それぞれの今後が気になるところ。次巻より第三部か・・・。2014/07/13
linbose
1
★★★★★2010/03/20
-
- 和書
- ディラン・トマス書簡集