内容説明
奥穂高の難所に挑んだ小坂乙彦は、切れる筈のないザイルが切れて墜死する。小坂と同行し、遭難の真因をつきとめようとする魚津恭太は、自殺説も含め数々の臆測と戦いながら、小坂の恋人であった美貌の人妻八代美那子への思慕を胸に、死の単独行を開始する…。完璧な構成のもとに雄大な自然と都会の雑踏を照応させつつ、恋愛と男同士の友情をドラマチックに展開させた長編小説。
著者等紹介
井上靖[イノウエヤスシ]
1907‐1991。旭川市生れ。京都大学文学部哲学科卒業後、毎日新聞社に入社。戦後になって多くの小説を手掛け、1949(昭和24)年「闘牛」で芥川賞を受賞。’51年に退社して以降は、次々と名作を産み出す。「天平の甍」での芸術選奨(’57年)、「おろしや国酔夢譚」での日本文学大賞(’69年)、「孔子」での野間文芸賞(’89年)など受賞作多数。’76年文化勲章を受章した
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