内容説明
由緒正しいヘンな外人のアーシーさんが、愛を込めて蒐集分析した、ヘンな日本語の大コレクション。
目次
第1部 文法オタクの語彙マニア(属人的な言語、属地的な言語;「私」と「僕」のはざまで ほか)
第2部 その言い方は気になる(全国各社共通簡単楽々社長さんの挨拶;忌みの言葉「平和」 ほか)
第3部 日本語の中のグローバリゼーション(外来語にうなされて;太平洋のかなたの不思議な日本語 ほか)
第4部 文字に夢中(字も「左へならえ」!?;振り仮名をふんだんに振りましょう ほか)
著者等紹介
アーシー,イアン[アーシー,イアン][Arthy,Iain]
1962年生れのカナダ人。「和文英訳」翻訳家。’83年バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学人文学部卒業。古代ギリシア・ローマ学専攻。’84年から三年間、日本の中学校で英会話講師を務める。その間に日本語を独学でマスター。’90年トロント大学大学院東アジア研究科で修士課程を修了。’89年より’91年まで山口大学に研究生として留学。研究分野は日本史、特に明治維新。現在はカナダ在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
299
タイトルには「怪しい」とあるが、中身は極めてまっとうな日本語に関するエッセイと小論考。著者が日本語から学んだ謙譲と、自己顕示欲とが鬩ぎ合った結果選ばれた言葉が「怪しい」だったのだろう。イアン・アーシーさんはバンクーバー生まれのカナダ人。合計滞日年数は結構長いが、日本語は独学らしい。まず、並の日本人は彼の日本語の能力には遠く及ばないだろう(音声は聞いたことがないので別として)。読んで面白いのは、バンクーバーの日本語事情。言語学的に興味深いのは文字に関する論考。アマチュアリズムがいいように出ているようだ。2016/02/02
ケロコ
36
イアンさん、日本語を習い初めて20年でこの本を書いてらっしゃる。日本語以外にも色んな国の言語を学ばれているようで、その考察には脱帽だ。中でも霞ヶ関の整備文体が一番面白く、私も訓練してみようかしら?と思ってしまった。それにしても私は日本語しかわからないので、著者のはてな?に同意出来ないことも多く、なるほどなと思いつつ、清水さんの解説でようやく腑に落ちたのであった。2016/02/23
にこにこ
8
日本語を母国語として話していると気が付かない事が日本語を外国語として学ぶと沢山あるんだなあ。カタカナを翻訳するのが難しいとか、なんでも「る」つけりゃ動詞になるのかとか、元祖「WHYジャパニーズピーポー」だな。バンクーバーの怪しい日本語事例、中国人が書いたと推測されるメニュー、なるほどなるほどであった。2016/06/30
クナコ
7
初読。古代文字・言語オタクで日本語歴四半世紀を越えるカナダ人による、変な日本語コレクション。刊行が20年ほど前のため、当時「変わった言い方」程度に登場したものが現在では違和感なく定着している、なんてことも。大蔵省の改名なんて、なんて懐かしい。だのにWindowsOSの直訳メッセージは今でも案外そのままだったりして、変化と進歩は似て非なるものだな、と思ったり。著者が諸所で日本の古語復活を切望したり、日本語と古代エジプト・マヤ語との共通点を嬉々として挙げているのを読むと、良いオタクだなと微笑ましくなる。2025/04/15
koishikawa85
5
ユーモア調で書かれているが、この人語学の天才。日本語を後から身につけた人がここまで書けるのはすごいとしか言いようがない。日本語の文字体系は古代文字に似ているとのこと。2024/04/19