新潮文庫<br> 学生時代

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新潮文庫
学生時代

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  • サイズ 文庫判
  • 商品コード 9784101058016

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カブトムシ

25
先に岩波文庫の「久米正雄作品集」を紹介した。今日は「手品師」の朗読テープがYouTubeにあったので、聴いてみた。なかなか面白かった。私は数年前に地方紙の信濃毎日新聞で、上田市出身の久米の記事を読んだ。紹介されていた「父の死」の興味から、古本の新潮社の「学生時代」を取り寄せたことがある。ひょっとしたら「学生時代」も「受験生の手記」も家にあった「円本」で、かつて読んでいるのかも知れない。忘れてしまった。小林秀雄が、「かつて読んだ本を漫然と読み返す年齢になって、読書の楽しみを知った」と言っている。その通りだ。

冬見

14
「受験生の手記」のみ既読。全体的に陰鬱としたかんじ。理性の強さと感情の強さのバランスが拮抗しており、それによって生まれる心理・行動のゆらぎが生々しい。理知の強い芥川と感情の強い菊池の中間といった印象。リアリストな一面はあるがリアリストになりきれず、ロマンチストな一面はあるがロマンチストになりきれない。そこが味。初読作品のなかからだと「艶書」「選任」「鉄拳制裁」「嫌疑」「密告者」「求婚者の話」が好き。明るいものもあるがやはり全体としては暗い。が、暗い作品のほうが味があっておもしろい。(「求婚者の話」は例外)2021/01/31

11
★★★★★(久米の一高、帝大時代のことを主に題材に集めた短篇集・全12篇。とても読みやすい。勿論中身が軽い訳でもない。読者との距離感がいいのか・・不思議な感性(センス)を持っている。正直とても良かった。「受験生の手記」は有名だが、「求婚者の話」「競漕」などもいい。文豪独得の重々しさ(強い個)は感じられないが、ありきたりの小説ではない。文体の重量加減が心地良い。もっと多くの人に読んでもらいたい所だが・・最近は廃刊本が多すぎる・・。これも復刊を望む。芥川曰く、「久米正雄は、――依然として久米正雄です。」) 2012/06/28

もりおか

1
「受験生の手記」軽い気持ちで読んだら、ラストにびっくりしてしまった。ちょっとだけ武者小路実篤作品の主人公達を思い出す。2017/08/09

katakuli365

1
以前読んだ時に、短編の「選任」か「文学会」だったかの内容に凄く考えさせられました。文学委員の選挙で主人公は選ばれ、ライバルは選ばれず、その後行方になり敗北感により自殺。主人公が自分はどうしたら良かったのかと、繊細な心故に人生で常に同じ様なことで重荷を背負って行かなければならない、そんな内容だったと思います。私はエリートな環境では無いけど、人生は常に人との比較であるので、勝者での優越感、敗者での劣等感、嫉妬心とどちらの立場でも実体験し悩まされて来ました。ただ、今はもう繊細な心で無い・・・。

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