出版社内容情報
アイドルになりたくて仕方がなかったあたしとアイドルに憧れたことのない相方、元アイドルの母親のせいで注目される子供たち、親友の推しに顔を似せていく女子大生。アイドルは色んなものを覆い隠して、私たちに微笑みかけてくる。曖昧に乱暴に過ぎていく毎日に推しがいてくれてよかった。「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞作を含む珠玉の短編集。『くたばれ地下アイドル』改題。
内容説明
アイドルになりたくて仕方がなかったあたしとアイドルに憧れたことのない相方、元アイドルの母親のせいで注目される子供たち、親友の推しに顔を似せていく女子大生。アイドルは色んなものを覆い隠して、私たちに微笑みかけてくる。曖昧に乱暴に過ぎていく毎日に推しがいてくれてよかった。「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞受賞作を含む珠玉の短編集。
著者等紹介
小林早代子[コバヤシサヨコ]
1992(平成4)年、埼玉県生れ。早稲田大学文化構想学部卒業。2015年、「くたばれ地下アイドル」で「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞し、同名の単行本にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
29
色んなものを覆い隠して、私たちに微笑みかけてくるアイドルとファンの様々な関係を描いた連作短編集。メンズ地下アイドルの同級生とクラスメイトの女の子、アイドルに対する憧れが正反対だった二人組のアイドル、元アイドルの母親のせいで注目される子供たち、親友の推しを研究して顔を似せていく女子大生、推しという概念が分からない趣味が全然あわない2人。ファンがいればその数だけ推しとの関係があって、お金を掛けるか掛けないか、アイドルに何を求めるかも人によって全然全然違って、その独特の距離感や人間関係がなかなか印象的でしたね。2025/03/27
conyTM3
15
アイドルもその家族もファンも人間なんだよ!ということがテーマの短編集。かな?? 誰かを推す行動にのめり込むことによって、自分自身の弱さを忘れられる時間が得られるようだ。 親心に近い感覚もあるようだし。 吉川トリコさんの解説には妙に納得。 二人組アイドルユニットの人間的成長を描く「犬は吠えるがアイドルは続く」が良かった。 自分で思ってるより推しにハマってた女の「寄る辺なくはない私たちの日常にアイドルがあるということ」も面白かった。 生々しい性描写も多いので苦手な方にはお勧めしませんけど。2025/03/18
えつ
14
ずっと気になっていた作品。ようやく手に取った。「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞作を含む珠玉の短編集とのこと。アイドルについて描かれているので、めちゃくちゃ楽しく読めた。わたしにも推しがいるので…ファンの気持ちは分かるんだ。それでもやっぱり、アイドルの葛藤や、その家族なんかの気持ちはあまり考えることがないから、新鮮な感じがした。2025/04/17
芙蓉
14
初読作家さんというかこの方のデビュー作。どれも面白かった「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞作「くたばれ地下アイドル」を含むアイドルにまつわる短編5編収録。昨今、巷で氾濫している推しにまつわる話でもある「寄る辺なくはない私たちの日常にアイドルがあるということ」がよかったかな。2025/03/10
たっきー
10
『くたばれ地下アイドル』改題、文庫化。アイドルにまつわる5作品収録。「寄る辺なくはない私たちの〜」が1番好み。アイドル(推し)とはなんぞやということを考えせられる。「くたばれ地下アイドル」、「アイドルの子どもたち」も面白かった。「アイドルはさー、娯楽として即効性があるんだよね。小説も映画も、労働ですり減った頭にはまわりくどいんだよ。良い作品でも、気が滅入ることも多いしさ」、「無責任に他人の人生を消費したいから私たちはアイドルが好きなんじゃないですか?」。 2025/05/06