出版社内容情報
アイドルになりたくて仕方がなかったあたしとアイドルに憧れたことのない相方、元アイドルの母親のせいで注目される子供たち、親友の推しに顔を似せていく女子大生。アイドルは色んなものを覆い隠して、私たちに微笑みかけてくる。曖昧に乱暴に過ぎていく毎日に推しがいてくれてよかった。「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞作を含む珠玉の短編集。『くたばれ地下アイドル』改題。
内容説明
アイドルになりたくて仕方がなかったあたしとアイドルに憧れたことのない相方、元アイドルの母親のせいで注目される子供たち、親友の推しに顔を似せていく女子大生。アイドルは色んなものを覆い隠して、私たちに微笑みかけてくる。曖昧に乱暴に過ぎていく毎日に推しがいてくれてよかった。「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞受賞作を含む珠玉の短編集。
著者等紹介
小林早代子[コバヤシサヨコ]
1992(平成4)年、埼玉県生れ。早稲田大学文化構想学部卒業。2015年、「くたばれ地下アイドル」で「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞し、同名の単行本にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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papapapapal
30
女による女のためのR-18文学賞読者賞を受賞した『くたばれ地下アイドル』他4篇。アイドルの同級生、トップアイドル、元アイドルの子ども達、ドルオタの視線で描く短編集。トップアイドルへと駆け上がっていく自分たちを冷静に見つめる『犬は吠えるがアイドルは続く』が抜群に良かった。流れでアイドルになった希と、絶対にアイドルになりたかった蘭。正反対なふたりの関係性がめちゃくちゃ良い! ぶっちゃけアイドルにあまり興味はないのですが…部活もの青春ものに通じるストイックさや幼さ、シビアさが盛り込まれたアイドル小説は好きかも♪2025/09/15
よっち
29
色んなものを覆い隠して、私たちに微笑みかけてくるアイドルとファンの様々な関係を描いた連作短編集。メンズ地下アイドルの同級生とクラスメイトの女の子、アイドルに対する憧れが正反対だった二人組のアイドル、元アイドルの母親のせいで注目される子供たち、親友の推しを研究して顔を似せていく女子大生、推しという概念が分からない趣味が全然あわない2人。ファンがいればその数だけ推しとの関係があって、お金を掛けるか掛けないか、アイドルに何を求めるかも人によって全然全然違って、その独特の距離感や人間関係がなかなか印象的でしたね。2025/03/27
conyTM3
15
アイドルもその家族もファンも人間なんだよ!ということがテーマの短編集。かな?? 誰かを推す行動にのめり込むことによって、自分自身の弱さを忘れられる時間が得られるようだ。 親心に近い感覚もあるようだし。 吉川トリコさんの解説には妙に納得。 二人組アイドルユニットの人間的成長を描く「犬は吠えるがアイドルは続く」が良かった。 自分で思ってるより推しにハマってた女の「寄る辺なくはない私たちの日常にアイドルがあるということ」も面白かった。 生々しい性描写も多いので苦手な方にはお勧めしませんけど。2025/03/18
えつ
14
ずっと気になっていた作品。ようやく手に取った。「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞作を含む珠玉の短編集とのこと。アイドルについて描かれているので、めちゃくちゃ楽しく読めた。わたしにも推しがいるので…ファンの気持ちは分かるんだ。それでもやっぱり、アイドルの葛藤や、その家族なんかの気持ちはあまり考えることがないから、新鮮な感じがした。2025/04/17
芙蓉
14
初読作家さんというかこの方のデビュー作。どれも面白かった「女による女のためのR-18文学賞」読者賞受賞作「くたばれ地下アイドル」を含むアイドルにまつわる短編5編収録。昨今、巷で氾濫している推しにまつわる話でもある「寄る辺なくはない私たちの日常にアイドルがあるということ」がよかったかな。2025/03/10